車上の空論

車上の空論


二日間で高速道路を約500kmほど走行した。この時期、都会から田舎へ移動する方々、ご苦労様です。私の場合それと逆行しているし、元々この地ではそれほど渋滞もないので快適にドライブできた。トライブ、即ち今回は四輪の話。

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シリアルナンバー4桁の発売年式だがまだ5万キロ走ってない。ECUほか車検対応内でイロイロ…

速度違反を助長するつもりは全くないが、誰しも余裕のある車で、余裕のある道路を走る時に制限速度を守る者は居ないだろう。そんな人は、昔それを取り締まっていた方々くらいである。

人は「急ぐ」動物であり、故にスピードを出すことは、本能である。

…なんて言えばもっともらしいが、何のことはない、飼い犬を車に乗せると窓から顔を出して前を向いてハアハア言うのと同じである。
それでも連休に総出で予算を達成しようとする制服組に恐々としながら500kmくらい走れば、人間の行動パターンなんてのを分析したくもなるものだ。まあそこが、犬と人の違いである。

今日考えたのは高速道路を走る人々は左回りの自由リンクのチェーンを形成している、ってことだ。
この場合、「自由リンク」ってのは自由に切ったり繋いだりできる、って意味である。

まず、自分の走行パターンを考える。
高速道路の走行は、誰かをフォローするのが楽である。これには大方の人が賛同してくれるだろう。
フォローすべきは、制限速度以上で巡航しようとしている人である。
制限速度を若干オーバーするくらいの人についていくと、怖いおまわりさんのターゲットとなる可能性も半減するし、到着時間も早くなる。(だが、オービスの前には全ての違反者は一網打尽になるのだが。)
では次にフォローするに足るドライバーの資質は何か、と言うと、第二車線からコントロールできる人、である。
高速道路は大抵第一車線が走行車線、第二車線は追い越し車線である。あー第三車線がある場合は後で。
つまり、フォローするのが楽と言いつつ、第二車線にいる方が目的地に早く到着し易い。かなりの飛ばし屋、と言っても赤切符レベルで飛ばす奴らはパスするのがヨロシ。ま、2シーターのBMWくらいだけどね。
狙い目は、きちんとした人。追い越し車線で追い越して、終わったら第一車線に引っ込む。でもすぐ次の前の車に追いつくからまた第二車線に出てくる。トラック・バスと軽自動車のワンボックスは連続して追い越す。無論第二車線に出ている時間は長短があるが、速度は第二車線速度を維持している。だから自分は第二車線に居たままでその人の出入りが予測でき、第二車線でもその人を追い越さない。これは第二車線に後続車が詰まっていないことが条件だが、フォローしている人が本当に速い人ならその心配は少ない。
それでも、二十分も続けていれば相手も気づく。そこでその人をフォローするのは諦め、その人の前に出て第一車線に戻り、次に自分を追い越す人を待つ。
これが1クールだ。

さて、これを何回も繰り返していると、一部の遅い車を除き、自分と同じ考え方をしている人が意外と多いことに気付く。数台のチーム?で第二車線で追い越し、第一車線に戻り、次に車の一団に抜かれてその最後尾で第二車線に再デビューする。つまりそんな車の一団は見えない糸でリンクしている。しかもそのリンクは自転車のチェーンが水平に左に回るように順次移動する。
これが基本形だが、高速道路にはジャンクションもインターチェンジもあるし、疲れたらSA/PAに離脱する。三車線になるとチェーンの形成は疎になり、結合力はぐんと減る。チェーンの基本形はリンクが二つ、つまり二台である。若い時は自分と相手しかリンクは無いと思っていたし、それがリンクであることすら意識しなかった。混雑の具合によってリンクは伸び、また多様化する。
もっとも簡単なリンクは二台構成である。しかし、自分が後追いされると気分が悪い。多数の車が参加するのが「良い」チェーンである。
このチェーンの中にいると、巡航速度が二割ほど向上する。渋滞していれば、できるだけ第二車線に居る時間を長くすれば効果が高い。

これを読んで、たとえあなたがそう意識して違反で捕まったり事故を起こしたとしても誰も何も補償しないので念のため。これはあくまでも車上の妄想、いや空論である。