さようなら、コペン

 どんな愛車でも、いつかは手放さなければならない時が来る。


 L880Kコペンと言う軽自動車は、決してベストな選択とは言えないが、十六年を経ても尚、まるで珠のような輝きを維持していた。製造番号4桁のそれと別れたのはもう、去年の秋のことである。


 コペンは多少のオーバースピードでカーブに突っ込んでも、低い重心とブリヂストンの純正レグザのグリップに任せて「だから何?」と、涼しい顔で切り抜ける。左右のコーナーをまさに「クルクル」回る様は、だから車体が丸くなったかのようだった。また、今でも公道でアクセルの全域をいかした走りを学習できる唯一の車だと思う。アクセルと非力なエンジンのツキの合間をいかに減らすのか、中庸の速度域でどのように運転を組み立てるのかを常に考えていた。


 年に数回しか開けないけど、夏の夜のオープントップは爽快で、高級車のそれに比べると段ボールの箱で走っているようなものだが、レザーパックの内装は誰に見られても恥ずかしくない。自分のファッションセンスだけが残る問題だが、なに、赤い帽子の一つでも被っていればそれなりに格好はつく。

 

 欠点が目立つ車だった。

 カーブはロールもなくビシッと決まる一方で、地面の小さな凹凸にいちいちバタつく足回りはまさにガタピシ車であった。スポーツパックの足は極度に硬い。その後出たビルシュタインが少しうらやましかったが、カーブの踏ん張りと交換する気にはなれなかった。
 ATは知らないが、MTの伝達系は問題だらけだった。ギアの入りの悪さ、バックのギアは高すぎる。二速と三速の乖離。クラッチは明らかに偏心があり、クラッチ軸とクラッチ板の垂直が出ていない(と思う)。ペダルから伝わりにくい半クラ。ワイヤー式のハンドブレーキは坂道で自重を支えることができなかった。
 音楽を聴くことなんか諦めさせるエンジン音はそんなに気にならなかった。軽自動車最後のDOHC4気筒。ターボのウエストゲートバルブの開放音、そして吸気音。吸気と排気とコンピュータを少しいじった自覚があるので、それらの一切合切を腹に収め、やせ我慢していた。唯一スポーツカーと呼ぶのにためらいを感じるのはFFによりフロントに偏った重量配分である。こればかりはどうしようもない。回転の中心軸をクラッチ付近に立てるイメージで回るしかなかった。まあ、軽トラの4駆を移植する業者もいたけど、あれ以上重くしてどうする。ダッシュボードの根元を支点にシャーシが前後にブレるのはタワーバーのせいだったのかもしれない。
 たった二つしか席のないクーペに問題はなかったか。全くない。可搬物の量的には十分である。トランクに格納する屋根が無ければ20Lの灯油缶も二つは余裕。家族はふたり。不足は何もない。2シーターの軽では最大の積載量だったと思う。

 手放した今となっては、あらゆる改造は無為に見える。でも今の私の運転技術はそれらを元に形成されている。

 

 さようなら、コペン。楽しい車だったよ。そして助かった。

ラズベリーパイ400到着

 イギリスから思わぬスピードで届いたRaspberry Pi 400(以下RP400)と、ラズパイ用と称して売られているUSBキーボード。 同時購入で送料込み一万円くらい。


 国内では一方的にお世話になってるKSYさんがRP400は取り扱い予定、キーボードはすでに販売中だけど、USキーボード版が欲しかったので個人輸入。キーボードもSUBハブ機能付き、ってことで、今これを売っているHHK Liteと同類として使おうと購入。これもUSキーボードで、色は黒/グレー。本当はRP400も黒が欲しかったが、無かったみたい。因みに日本語版はすでに売り切れていたが、米国版は在庫があった。

f:id:VistaPointer:20201123123212j:plain

 まずRP400の方だけど、従来機より性能アップしているものの、電源が足りるか不安だった。でも今のところアマゾンで購入したRaspberry Pi4用、と謳う5.1v/3AのACアダプタで雷マークは出ていない様子。メモリは4GBなので事実上十分だが、8GBがあったらそっちを買ったと思う。I/Oのスペックは発表通りなのであまり言うことはないが、USBは3ポート(USB2のポートが一つ削られている)で、イヤホンジャックを廃止。もちろんテレビにつなぐ赤白黄色のポートも無いので、音声は基本的にHDMIに依存する。有線ネットワークポートは出てる。マイクロHDMIは2個残ったままのは良いけど、ポートが近い(と言っても従来機と同じくらいだが)ので、変換アダプターはドングルタイプじゃなくて短いケーブル付きのが良いだろう。因みに従来機に比べるとUSB-CとマイクロHDMIx2は配置が逆。キーボードの背面にずらーっとケーブルが出ることになるので、机の狭い人用ではない。通常はHDMIとマウス、電源くらい。

f:id:VistaPointer:20201123123703j:plain

ポート類。向こうの黒いのはHHK Lite



 RP400もラズパイ用キーボードも、キー面は殆どコモディティと化しているペタペタの安物チョコレート。だが、Windowsキー、あるいはマックのコマンドキーにはラズパイのシンボルが入ってる。ただ、型は作り直しているだろう。カッチリできている。裏のモールドは当然専用品。キーボードの方も裏は膨らみはあるが、RP400と同じではない。こちらはUSB micro-Bのインと、USB-Aのアウトが3個。HHKが2個だったので、マウスをつなぎ、USBメモリとかを挿しても更に一つ余る。ありがたい。(でも長時間タイピング向きではないんだよね、元々。

f:id:VistaPointer:20201123124031j:plain

キーボード背面



 RP400の方は電源キーも目を引くが、最初のパワーオンはこれまで同様、電源接続時になされる。シャットダウンしてACアダプタを抜く前だったらこのキーでパワーオンできる。
 ラズパイ用キーボードも悪くない。正確には黒いフレームにグレーのキーである。キー形状はペタペタだが、反発がやや強く、普段青軸を使っている私には、まあ、この値段ではこんなものだろうと納得できる。もちろんクリック感は望めないが、以前持っていた似たようなBluetoothキーボードに比べると、ただ指を置いただけでは入力できない程度の堅さはある。

f:id:VistaPointer:20201123123837j:plain

上: HHK Lite, 下: 今回の購入品。


 実はこのキーボード、RP400より若干大きめの箱で届く。なぜかと言えば、接続用ケーブルが付いているからである。このケーブルも低学年で雑に扱われることを見越してか、やけに太くて上部層である。
 RP400もキーボードも、電池を内蔵していない点に高評価をあげたい。


 入れるOSには何の変化も無いので、これまでのRaspberry Pi Imagerを使うが、最近の私は64bit版をダウンロードして書き込む。Mathematicaが動けばデスクトップ用として問題ない。手持ちのmicro SDカードで最速のSanDisk Extreme 64GBを投入。最近はレクサーなんてさらにお高いものもあるが、私が勝手に絶対の信頼を寄せるSanDiskを試してからでも良いだろう。


 そうね、このRP400を見てPC8001のノスタルジーを感じないかと言えば嘘になる。と言ってもPC8001は所有していたわけではなくて、大学の研究室にあり、分解して中の基板だけ流用したのだが。でもそれと比べると隔世の感がある。作りはちゃちになったが5vで、こんなに軽く、こんなに速く、こんなに安い。


 さて、ますます子供達には頑張ってもらわねば。教材買ってあげるのは大人の役目だよ。

Under COVID-19: 最新日本風土記 (1)

 先日、とある地方のホテルのコインランドリーで、コロナの報道が日本の一般人にどう言う恐怖を与えているかを知る端的な出来事に遭遇した。いや、御大層なモノじゃなく、みみっちい庶民的な世間話だが、とっても興味深かった。この文書は記憶の新しい内に残したメモを元に書いているが、一つ一つのセリフは厳密には正確じゃない。だいたいそんな内容だった、て事で。

 

 その場には二人の男性が居て、一人は背が低くて顔の赤い人。もう一人はやや年配で髪が少しボサついた人である。前者をチビ、後者をノッポ(と言う程痩せてはいなかったが)と呼ぶ。
 構図はチビがノッポに絶叫し、ノッポはそれを迷惑そうに哀れんでいる、って感じ。私もランドリーを使おうとしていたが、それを見て、チビのわめき声にちょっと引いて、廊下の角の向こうから一部始終を聞く羽目に。

 諍いのもとはコインランドリーで、ノッポが乾燥機に残っていたチビの洗濯物を勝手に備え付けのカゴに出して、その乾燥機を使っていた、ってことらしい。それをチビが怒ってた。わからんでもないが。

 そんな事はあるあるで、私もそうする。洗濯機と違い、乾燥機は時間に正確で、100円当たり30分+クールダウン5分くらい。クールダウン時間が終わった時点で取りに来てない、って事は、いつ来るかわからないわけで、非常に不本意ながら、他人のパンツやシャツをつまんでそこらに放り出す。この待ち行列には何か名前があった。今は無き公衆電話の待ち行列理論で、女子高生の電話利用時間が長ければ更に長くなる、って奴。並らぶべきじゃない行列もあるって事だ。

チビわめく。「何でこの時期に人の洗濯物触わるんじゃい。」「何でカゴに入れとんじゃい。」「俺はタイマーかけて取りに来とるんじゃ。5分や10分も待てんのか。」
ノッポ「いや、現に目の前で止まっていましたし・・・」
チビ「じゃかあしい!」
ノッポ「なら乾燥機止まる前に来るべきなんじゃありませんか。私もそうしていますし。」
チビ「じゃかあしい!」
 ここで私の立位置は完全にノッポ側。ノッポは他にもいくつか反論してたようだが、そのたびに場をわきまえないチビの絶叫が妨げる。チビはバリバリ感情的、結局、話をさせる気はないようだ。
 雄叫びの中でチビは「タイマー」を連呼してたから、最近使い始めたのだろう。にわか意識高い系、って奴かな。他人に触られたくなければ、終わる前に行かなきゃ意味無い。タイマーなんか使わなくても来る人はちゃんと来る。
 特にCOVID-19で人の洗濯物なんて触れたくないが、近くに消毒液はあったな。5分や10分?うん、私なら先の理論で待てないな。

チビ再び「俺はまた洗って乾燥し直しじゃ」「部屋出ると電気が切れてエアコンもテレビもスイッチ入れ直しじゃ」

 そこかー。それ、ここに泊ってる人みんな知ってる。

「この1時間ー体どうしてくれるんじゃ」
「ええ、どうしてくれるんじゃ」
「言ってみい、どうしてくれるんじゃ」

 重要な事なのか、最低3回は言ってた。それがそのたびに大きくなる。息を吸う音も聞こえてた。面白いんで食堂の椅子に移動したら、同好の数人がニヤニヤしながら座ってた。野郎ばっか。土建屋の兄ちゃんとか、どこかのメーカーロゴの入った作業着の人、白髪の爺さん。

ノッポ「どうすればあなたは納得するんですか?」
チビ「じゃかあしい!知らん、お前が考えろ!」「俺はまた一時間無駄にするんじゃ。」

 ああ、これは金を要求してるな。ヤクザかも。ノッポから言い出さないと、恐喝で有罪だってチンピラでも知ってる。
ノッポは言葉を止めてる。チビが何を叫んでもずっとそうなので、チビは諦めた様子。

チビ少し小さな声で「また洗いからや。金も払わんのかい。」
ノッポ「洗濯機代は払いますよ。取って来ます。」
チビ「おう、300円持って来い。」

 へえー、チビは乾燥一回か。

 金額的には結局そうなるよね。以前別のホテルで洗濯機が止まった人にホテル側がお金返してた。そう、何があっても常識的にはそこ留まり。
 ランドリー室からパタパタ出て来たノッポと目が合った。苦笑しながら天を仰いでた。
 缶コーヒーを飲んでたら、数分後ノッポが戻って来て食堂のテイツシュに硬貨らしき物を包み、消毒液を浸してた。なかなか気が効く。お金が-番汚ないもんね。
 で角の向こうに持って行った。

ノッポ「持って来ました。消毒液で濡れてます。」
チビ「そこに置け」

 何かブツクサ言いながら1~2分したらチビが黙って出て行った。ノッポの心遣いに気付いたのか。顔見たらマスクから鼻が出てたよ。案だけ叫ぶのなら、そこはちゃんとしろよー。そのあとそのランドリー室に入るのに。あ、マスクには裏表もあるからね。

 ノッポはそこで待機している。エレベーターで一緒になりたくないのか。しばらくしたら出て行った。

 まあ、こうしてチビは小銭を稼いだわけだ。よくわからん関西系?名古屋系?朝鮮系?のチビ、今の山手線とか絶体乗れないだろうなぁ。山手線の乗客が全員互いに絶叫し合ったら、ちょっとワールドニュースかも。
 観客、いや、聴いてただけのー同、納得の試合だった。なんか頷いてる人も居た。お前ら、なぁ。私もか―。

 可笑しかったのが、ランドリーに入つたらティッシュに包まれた百円玉があった。
 まあ、平常時ならノッポが「負けて勝った」で終わるだけなんだけど、今はCOVID-19。それでも、チビが大絶叫でビビっていたのが異常だった。もう、なんか全身全霊で大声大会してた。ちょっと見てみたかった気もするが、絶叫のツバは浴びたくなかったし。
 これがケンカになるとおまわりさんが来てたかも知れない。チビのビビリ、あるいはノッポの冷静さで平穏に終わったわけだ。

 ここからはただのカッコ付けなんだけど、COVID-19のような災害って基本的に自己防衛だと思う。だからこそ医療スタッフの働きは尊いのだし、罹患を他人に責任を取らせようなんて奴は診なくて良い。
 突き詰めれば、この災害を怖がる程度は、各人が日々どれだけ大切に過ごしているかで変るだろう。怖けりゃ死ぬまで外に出るな、って事。それを生きている、と呼ぶのなら。
 新しい社会様式?それってこんな日常にするのが目標なのか?

なぜNHKは料金を下げないのだろうか

 という話をすると、NHKは運営費を税から賄え、と図に乗るので、そこは社会主義国化を増進し、NHKに世論をコントロール、あるいは捏造する強大な権力を与える論理だ、とまず反論しておこう。あくまでも「まず」。
 
 現状、NHKに限らずテレビ局の放送内容は以下のように類型化される。
(1) コロナ関連
・統計情報。患者数…最近退院者数を出すようになったが、感染者の全てが症状があって入院しているわけではないので、何人の入院者/発症者数がセットで出ないと意味がない。いつも偏った数字ばかり。
・政府発表
・現場の声
・どこかの大学教授あたりのご意見伺い…選択基準がよくわからない。
・ニュースキャスターとか記者の私見による主張
・各地の知事のご意見伺い
・財界人の声
・町の声…明らかに取捨選択されている。なぜなら、テレビ局の取材内容に興味がない人が出ないからだ。
(2) 天気予報
(3) コロナ外のニュース(但し短く、話題数も少ない)
(3) 過去に取った番組の再放送
(4) 芸人を食わせるためだけの意味のない番組…全く不要。
 放送内容がパターン化すれば、運営費を抑えることができるはずだ。その努力をせず、あるはずの還元分が契約者に戻らない。スポーツ選手や一部の芸人のチャリティー活動を飯のネタにしているだけである。
 
 そもそも、視聴者の絶対数が減っているのにテレビのチャンネル数が減らないのは何故なのだろう。
 
 文科省が、テレビ局を巻き込んで、せめて今の義務教育を賄うチャンネル数を確保し、基本的な教育の授業を放送し始めるのが遅過ぎるのではないだろうか。もちろん動画を途中で止めるネットの利便性も捨てられないので、テレビとネットの双方の枠を作る必要があるが、とりあえず一方向でも始める試み程度はもうやっていても良いはずだ。どうせネット経由でも十分な(リアルタイムの)双方向授業はできないのだ。予備校の衛星放送授業メソッドを入札制にして導入しても良い。公立学校をNPO化し、そのサポート出張所的な役割を担い、テキスト販売、試験実施、補助授業を行わせるとか。教諭は減るかも知れないが、そのコストを放送に充てる必要がある。
 総務省を叩いて放送枠分を出させるべきだ。>文科省
 入札制で民放枠を抑えて放送に協力させる、でも良い。どうせ民放なんて、好きでやってる放送なのだ。
 年齢にこだわらず、しかるべき時にしかるべき試験を受けて、パスしたら進学、高校・大学の受験資格を得る、と言う本来の教育システムで良いのではないか。
 これでも教育を受ける権利は損なわれないと思うが。
 
 でも、ここで、NHKがその憲法で規定された権利の行使を妨げる。資本主義国での理不尽な契約「NHKが受信できる設備を設置したら金を払わねばならない」って奴だ。
 
 教育内容的にも、何らかの世論操作やよくわからない主義思想をアナウンサーが声高に述べるNHKと結託すべきではないだろう。彼らが教育放送枠をつかむと、その契約を理不尽と思わない教育をするからだ。なので総務省は、NHKを除外した受信機を流通させるか、その理不尽な契約を正す必要がある。NHKがそう主張するのなら、NHKを排除した周波数帯で放送するテレビを実質的に同じ価格帯で発売していないことが理不尽である。
 
 NHK料金は高い。生涯通じて百万円を超える。この状況下でその重さがますます顕著になった。また、民放の力の無さも際立ってきている。NHKの放送が、国内の貧しい家庭を報道するたびに、その欺瞞、偽善に吐き気がする。調べてみたが、奴らの低所得世帯への料金引き下げの審査は独善的でとても審査が厳しく、かつあまり下がらない。この社会において、物の価値は相対的だ。契約は一方的にその内容を決定されるのはおかしい。
 
 いや、理不尽なことばかり言っても鬱になるだけだ。
 義務教育に相当する授業を終えた後は、海外を含めた民間の自由競争でより良い(コスパが?内容が?ネームバリューが?)学校としての放送に競わせる。そこで衛星放送の需要が出てくる。対象外のテレビを排除する機能が初めて有効になる。まあ、そこで双方向の副産物、つまりネットへの映像流出も発生するので(そう、流出は事実上の前提)放送以外での差別化が要求されるわけだが。
 
※そう言えば、入学時期を半年延ばすって話題があるけど、次に新型ウイルスが出たら、また延ばすの? 学校の先生、半年分の給料丸儲けだね。元々生産性って数値が出しにくい職種だけどさ。楽な職種だな。
 
 BSとか4K/8Kなど、好き勝手に開発をしているが、本来国内のテレビメーカーをまとめ、そこに金をつぎ込んで委託・監督するのが本筋ではないのか>総務省。

Mirobot F1

 前回、有象無象に取り掛かろう、と思ったら、そのボスキャラが翌日届いた。
 Mirobot F1と言うおもちゃの六軸ロボット。まだまだパワーをいれるまでにはいけないけど、一応写真をペタペタ。

f:id:VistaPointer:20200502115416j:plain

Mirobot F1とオプションのコントローラ SDカードはサイズ比較用
 このロボットはKickStarterでバックして納品されたものだが、本当に待ちあぐねていて、日本への出荷がコロナの影響で遅れ、出荷スタートから四か月経ってようやく納品である。今このロボットはAliExpressで買えるようだ。
 いろいろ早く送れとか、催促しまくって、本当に本当にやきもきした。私は根が貧乏人なので、ほとほとバッカーとか投資には向いてない。製造国は中国だが、中国国内で物流は動いているのはわかっていても、香港のDHLに届くまでが長かった。DHLにピックアップされたら、約一週間で到着。その間トラッキングメッセージが10本程度。さすがDHL。
 もうしばらくはクラウドファンディングは自粛する。

 プロジェクトが失敗して無駄金だった、ってのは過去にもあって、それはそれで腹も立ったのだけど、今回は、純粋にこれが欲しかったんだ。まあ、本当に動くのか、どれほどのものなのかはこれから探るのだけど。
 
 
 このロボットは、アクチュエータがサーボモーターではなくステッピングモーターなのが特徴。産業用ロボットはモーターの回転角を保持するエンコーダを備えたフィードバックができるサーボモーターを使用しているのが一般的であるが、高コストとサイズの関係で、これまでこのような小型ロボット用に量産されることはなかった。このプロジェクトはそれをステッピングモーターを使うことでコストを下げた。その代わり、初期位置がブレるので頻繁にキャリブレーションをすることになるだろう。一応モーターの回転角検知用にホール素子を用いているが、それは回転リミットを探るためだけの機能かも。普通は物理的にマイクロスイッチをリミットスイッチとして用いる。

f:id:VistaPointer:20200502115758j:plain

1軸(たぶん)のモーターと、隣にあるのはダンパー? FANUC製ならバネが入っているところ。


 おもちゃであることには変わりはないのだが、これをどこまで遊びつくせるか、ってことに興味がある。しょーもない部品のトラブルで稼働不能、てことにならないように祈るばかりだ。

f:id:VistaPointer:20200502120225j:plain

頭の痛そうなコントローラ Bluetooth接続だとか。
 ロボットは、メーカー以外は純粋にソフトウェアの領域である。
 メーカーも自らのロボット制御のために多くのソフトウェア要員を抱えている。彼らのおかげで製品としてのロボットが意味あるものになる。ロボットと言う製品は、冶金(今の主原料はアルミだが)、構造学、機械工作精度、モーター制御、それを動かすためのPCのマザボよりはるかにコストのかかる基板を作るための電子工学、そしてソフトウェアスタックと、機械屋の全ての知識を出し切れないと作れないものだと思う。

 今回のMirobot F1はプラモデルみたいな樹脂製。なのでたわみはどうにもならないけど、あくまで教材だ。
 ソフトウェアは限りなくフリーソフトを探し出していて、カスタマイズしたものを提供しているみたい。
 
 さて、そろそろ本気を出してユーザーマニュアルを読もう。

Ubuntu 20.04でOS遊びした結果、LinuxシングルボードコンピュータはRaspberry Piだけでおなかいっぱい、と言う話

 OSのインストール遊び。もう何十年もやっていて、ほとんど病気。動くか動かないかなーってところのOSをただインストールするだけの遊び。私のこだわりは日本語入力/表示はできるが、OSの表示は英語版のまま、ってところ。LINUXの場合は、デスクトップ環境で。英語版だと英語キーボードに似合っているし(かな入力が苦手)、ブラシーボ効果で動作も軽く感じる、何よりフォルダのパスに日本語が入らない。漢字Talk6.xの時代、Windows3.1の時代から引き継いでいる私なりの目標で、今もWindows10でそうして使っているものもある。古いアプリでは日本語が化ける奴もあるけど、そんなのはとっとと捨てています。どうにもならないのはブラザーのドライバ類とノートンアンチウィルスくらい。
 同好の方には今まで会ったことはないけれど、この分野?での、このところの旬はArm64のUbuntuですよね。前はAArch64って呼んでたけど、変わったのかな。
 実のところ、64bit ArmのLINUX、私はPinebookでだいたいOkだったんだけど、ちょっと前にUbuntu18.04 desktopのラズベリーパイ3用ベータをインストールしてみて、なかなか良い塩梅だったので20.04を待っていた。そして今月ついに出ました。サーバ版だけど。

 

 ラズベリーパイは3, 3+, 4を各一台ずつ(それ以前の機種もあるけど興味ない)持っていて。その時代の最速機はMathematicaのためにRaspbian専用機、準デスクトップ扱い。最も遅い機種は実験用。必定3+がOS遊び用の機種。なので以下の記事はメモリ1GBのPi3B+での話である。

 

 現時点で出ているUbuntu 64bit for ArmはServer版だけで、結論から言うと、うん、良くも悪くもServer版だな、ってところ。Ubuntuのサイトではデスクトップ環境にしたけりゃ
 apt install lubuntu-desktop
のほか2種くらいデスクトップ入るよ、と紹介されています。でもちと重いし、出たすぐの頃はアップデートでどこかしらに瑕疵が出てた。18.04 Desktopベータでも同類のエラーに遭遇して、とても安定して使えるデスクトップとは言えなかった。滑らかに動くのは18.04の方。
 でも20.04+Lubuntuデスクトップでも最近のアップデートで、その瑕疵は消えたみたい。一応64bit Lubuntuが使えるようになった。難点はメモリとディスクアクセスで激重なこと。

 

 4-5回試行錯誤したが、結局やったことを大雑把にまとめると;
#適宜再起動してapt update/dist-upgrade/upgrade/autocleanなんかを挟みつつ、
(1) 20.04 LTSサーバ版のインストール。プレインストールイメージなのでいつものように焼いただけ。因みに試したカードはSandiskのUltra SDXC UHS-Iほか数種だが、いずれも64GB。最終的にはそのSandiskになった。非Extreamの遅い奴だけど。最初の起動時にはWifi使えなかったのでネットワークは有線で。
(2) Swapファイルを4GB程度に。元々Swapは設定されていないみたい。最初これに気づかずデスクトップ入れたら途中で固まった(1時間くらいほったらかしにした後、強制再起動してみたら動いた。けど、気持ち悪いので最初から再トライ)。swapはfstabにも登録忘れずに。実メモリ1GBなので、4GBは多すぎだと思われるかも知れないけど、作業中に半分使うのは確認できたからケチケチしない。4GB以上は無駄ってのは聞いたことがあるけど、あれの実メモリは幾つの時だったっけ。あと、元がサーバ版なのでswapinessは40くらいにしたけど60のままで良いかも。
(3) デフォルトのユーザ名とかワークディレクトリを変える。usermodとかgroupmodで。あとhostnameなんかも好きなものに変える。面倒なら新規にユーザ作れば良いが、sudoer登録を忘れずに。追加するだけだとデスクトップ画面にはubuntuも出てくるので要らなけりゃ消しておく。まあ、これらはデスクトップ入れてからでもOK
(4) apt install lubuntu-desktop
 私はLubuntu好きなので。デスクトップマネージャはgdm3を選択、じゃなかったら画面が私の4Kモニタでは出なかった。かなり時間がかかる。安物のmicro SDだと辛いところ。
(5) 再起動してログイン。なんか、最初はGUIデスクトップで頻繁にアプリケーションバー?が落ち、再起動させるのだけど、再起動させて素早い操作で(笑)何とかターミナルを起動する。sshdはデスクトップインストール前にenableしておくべきだった。
(5) (もちろんapt updateして)takao-fontsとfcitx-mozcを入れる。openssh-serverは…入ってたかな?なければ入れて、使えるようにする。確かデフォルトでは接続拒否された。
(6) dpkg-reconfigureで時計とか、ロケールを入れる。ロケールはGUIだと一つしか選べないので、私は通常CUIで英語(米国)と日本を入れている。デフォルトロケールはもち英語。
(7) キーボードをmozcに変更。一応英語キーボードも入れているが消してもok。この途中に英語やら日本語のリソースを読むか、って聞いてくる。入れた方が多分安定する。けど、それを入れるとCJKフォントなども入ってSDカードが荒れるのが嫌なので、今回はパス。

 こんなところかな。LinuxはPythonの環境を入れたり、何かのライブラリとか、大きなアプリケーションをコンパイルすると、すぐ環境が荒れる。そのため、さっさと作り直せるシングルボードコンピュータは楽でよい。遅いけど。私の場合、Windowsだと仕事で使ったりVisualStudioでもの作ったりしているので、そう簡単に環境を破棄できない。

f:id:VistaPointer:20200429121517p:plain

一応貼っときます

 Ubuntu Arm64は、あくまでも現状、画面の解像度は2K/4Kには未対応のようで、私のモニタでは変な解像度1種しか選べない(フルHDに近い解像度だったけど、ちょっと小さめ)。この辺はRaspbianに一日の長がある。11インチで2K超えると、文字が読めないから、拡大対応できないと洒落にならない。
 でもま、これで64bit環境下でFirefoxが使えるようになった。これまた激重だけど。Anacondaは…現時点ではまだArm64対応が不完全なようでaptなんかじゃ無理っぽい。やり方は書いてあるんだけど、未実施。
 Mathematicaはインストールできないか。Wolframのサイトからスクリプト落として実行してみたが、インストール途中で引っかかった。インテルよろしく、32bit版じゃないと動かないライブラリとかあるのかも。インストールが通ったとしても、起動時にお金を請求されるだろうけど。

 おらんげぴとかばななぴなども持っていて、OS動向は得ているのだけど、いずれもArmbian頼みの感が強く、最近じゃ時間の無駄だなぁと思えてくる。少ない種類の機器に限定して完成度の高いシステムを作るRaspberryPiの方が結局優れていると思う。強いてあげればRock64はうまくやっている。IoT機器として捉えた場合、Win10かRaspberry PiにArduino環境でソフトが組める有象無象の末端デバイス(主にセンサーね)を組み合わせるのがベスト、と言うか既に定番かと。
 今後はその有象無象に取り掛かろう。

日本人は桜を観ていれば良いんじゃないかと思う

 世の中、C-Virusで株が下がったとか、C-Virusでオリンピックが集客できないとか、C-Virusで学校に行けないとか、C-Virusでがいおあせwhvんpふぃお」あwhfの;p隠蔽しているとか言って騒いでいる。一方的なストレスをNHKから押し付けられて何かと腹立たしい。彼らが報道すればするほど混乱を招いている。特に際立ってきているのが「文化」って奴の無力さ。無くても生きていけるものとそうでないものに白黒つき過ぎて、例えば遠い土地であった過去の災害だとかがどんどん色褪せてくる。そんな中、仕事で東九州の山間部を通って、山の中にポツポツと桜が芽吹いているのに気が付いた。

 
 人の世に何があろうとも、この国では今から桜が咲く。


 イメージしよう。あの、決してショッキングではないピンクを。艶やかで、しとやかで、控えめで、雄弁で、人を黙らせ、落ち着かせる桜色。


 たぶん、あの前に立てば僕らは大丈夫。
 きっと大丈夫。

 

 そこから救助に向かおう。何を?もちろん世界を。

 

 

※後日追加

 この記事を書いた翌日、花見に人が来るとコロナがうつるからNG!、花見の場所なんかも入場禁止にされてる、って無粋な報道があった。花見=宴会でどんちゃん騒ぎ、なんてのは全く意図してない。サクラは心に宿る花。思い出せなければ下の写真でも。

f:id:VistaPointer:20200503201840j:plain

散り際だけど何とか間に合った