桜の季節

西海橋 03/28/09

 天気予報は曇り後雨だったが、原付バイクで西海橋まで走ってきた。駐車場とお土産屋は大変混雑していたが、なぜか花見の公園は人もまばら。桜は七分咲きくらいか、いろいろな種類があるので、ものによっては満開の木もあった。全体的に来週が見頃だろう。
 西海橋に併設された第二西海橋は、上は有料道路だが下は人道で、空中を歩くことができる。歩いてみると素人でも分かるが、第二西海橋は耐震設計もしっかりしているようだし、かなり複雑で高度な施工がなされている。最初の西海橋もよく建設できたなあと感心するが、おおよそ四十年くらいの技術の差は歴然としている。
 でも第二西海橋の人道の良いところは、最初の西海橋を横から見ることができる点だろう。あたかもそのために作られたように思える。西海橋の赤い欄干、シルバーのトラス、堂々としたアーチは人工物ではあるが、まわりの風景にぴったりマッチしている。緑の斜面、緑色の渦潮と一緒に桜の隙間からのぞくそれは、神社の池にかかった赤い小橋(ああ言うのは何て呼ぶのだろう)にあるような日本の古くからの景色のようでもある。
 一方、西海橋から見る第二西海橋も立派である。背景にはやはり海と島の緑.渦潮、そして三本の電波塔(ニイタカヤマニノボレ、だったっけ?そのあたりの暗号を送信したらしい)が見える。でも色が今一かな。水色を基調としたのは空と海の色に溶けこませるのが目的だったのだろうか。建築物としては素晴らしいが、風景に馴染むのはしばらく時間がかかるだろう(つまりはそれを眺める人の感性次第だ)。

 で、写真は無い。カメラを持っていかなかったので。まあ、ご自分で観に行って下さい。そのまま西海町の東シナ海向きの宿泊先を探せば(あればね)、なーんにもない休日、運が良ければ空と海のすばらしいコントラストと夕焼けのグラデーションを見ながら読書ができる(笑)。
 脱線するけど、今日も三脚抱えて一眼レフを一台っ切り持ったおじさん、おばさん(いや、もうちょっと若い世代か。自分で稼いだお金を自分で使える世代の方々)がたくさんいた。デジカメになってから一眼レフが大衆化したなあ。以前フィルムの一眼レフを持っていたけれど、レンズ揃えるとあまりにお金がかかってしまうので手放した。今はフィルムもデジタルもコンパクトカメラのみである。因みに私の携帯電話にはカメラ機能は無い。

 私はバイク乗りで自転車海苔でオープンカー糊であるが(以上、かな漢字変換の結果のまま)、風景は「消費する」ものだと考えている。ショートツーリングの目的地は一つだけ。お仕着せの観光スポットでなくて茶店でも何でもいい、折り返しの場所を一つに絞って、ただそこに行って帰って来るだけだ。つまり行程を楽しむ…なんてカッコ付けてるんじゃなくて、行った先々からまた歩いて云々ってのがくたびれるのだ。でも、列車で窓を流れる景色を見る、ってのは確かに楽しいし、指定席でトイレに行くためにわざわざ通路側の席を取るなんてつまらない選択だよ。増して、オートバイはメンタルなスポーツであり、ゲームである。得られる報酬があり得ない角度で過ぎ去っていく刹那の風景である。それはとても贅沢な時間だろう?
 まあ、残念ながらそんな気性なので、マスツーリングができない。辛うじて奥さんとだけ。 それでも何時にどこに行くなんて約束できない。主体性がナイから行き先を決めてくれるのはありがたいけどね。マイペースで行くんだよ。

 しかし今日は、花見どころであったので少し歩いた。バイク用の靴が当たる足首が痛い。桜に浮かれたってことで。もうそろそろ、冬物のジャケットを脱ぐ頃だ。