LINUX ...Again!

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New PC!

 今、この原稿はLINUX機で書いている。久し振りに(いや、そう久しくは無い、実際)新しいPCを買ったので試し打ちなのである。購入したのは安くなってきたDELLのInspiron mini9、今風に言えばMPCだ。
 実はMPCと呼べるものは三台目、いや、このDELL機がMPCと呼べるのなら四台目である。IntelのAtomプロセッサを積んだものなら二台目。どうしてそんなに多いのかと言えば趣味に他ならない。とんでもない浪費だと思うが、去年購入したAtom機が約14万円、今回は送料込みで4万円を切り、また、メモリを2GB、SSDの64GBと私にしてみれば底値だ、叩き売りである。まあ、尤もらしい言い訳をすれば、最近仕事絡みで有限要素法を使う必要を感じ、例によってフリーソフトを探していたら殆どがLINUXオリエントだった、と言うわけだ。(だからと言ってわざわざ新規にPCを買わなくても。)
 これまで古いLINUXパッケージは幾つかインストールしてみたのだけれど、どれも実用にならなかった。インストールしたらそれで終わり。日本語を入力してみるところまで確認できたらあとはハードがもったいないなーと思っても使わなくなる。会社の業務に絡むことだから、PCなんざ会社で調達して当たり前なんだが、私は自分の実になる知識を獲得するためであれば、高価な本でも自腹で購入する。じゃあ、ソフトは、って言われると辛い。脱線するが、業務用と銘打っているソフトウェアの値段にはそれを会社が維持するための経費が計上されている。刹那的に使うものを、長期的な経費に基づいて付けられた値段で購入するのは個人では無理である。内外の大学の研究成果(国内であればそれは支払っている税金から生まれるものも多いから使用させてもらってもいいだろう?)、そして良心、あるいは「他人に使ってもらうこと」で満足する素晴らしく高潔な個人の思想に基づいて世間に「寄付」されているソフトウェアを使わせていただく。ありがたい時代である。
 
 私は日本に「インターネット」と言う名前が定着する前から、その前身であるWISEプロジェクトの恩恵を享受してきた。その頃は今みたいにブラウザで見ると言うこともなく、メールとニュースグループ、telnetとftp程度しか使えなかった。それでも隣のチームがNEXTを入れていたから、静止画程度はやりとりできていたかも知れない。まあ、ネットの研究が自分のテーマではなかったので、利用専門。メインの仕事は(あー中略ー)と素のUNIXを使う。
 そして草の根UNIXとでも呼ぼうか、MINIX, FreeBSD, NetBSDそしてLinuxなんやかんやがはびこり出した頃である。私にとっての最初の草の根UNIXはNEWSGROUPで128MBのMOが回覧されていたMiNT UNIXであった(マカーだった)。
 当時、ネットを構成するコンピュータは疎なもので、商用的にはせいぜい「パソコン通信」がかつかつ成り立っていた程度だった。(インターネットの黎明期もかつかつだったのは変わらなかったが。)今や高性能大容量のPCとブロードバンドの恩恵でかなり情報の伝達スピードが上がってきた。伝達スピードが上がると言うことは、視点を変えれば情報の密度が上がることを意味する。ネットはもうそろそろ、人類の新しい進化形、そう人工の共通記憶と呼んでも良い頃だろう。人は知ってか知らずか、時間の壁を越えようとしている。現に私の仕事の半分、いや八割方はネットから得た知識によって賄われている。そう、他人の知識を引き出すだけの情報コーディネータ。私のように無能な人間は道具の使い方を知り、それを実際の仕事に適用することによってのみでしか生き延びることができないのである。今後、個人が死亡してもその遺産たる情報が抹消されなければ良いのだが。そう言う意味で考えたとき、現在のWEBやブログのありかたが、情報の蓄積/再利用という点で最適かどうか。それは私たちの世代に恒久的に課された宿題だ。

 また、この観点から「情報の発信」の重要性が見えてくる。私が恥ずかしながらこのような駄文をネットに上げ続ける理由がこれである。誰かが、何かを発信しなければこの共通記憶は深化(これは字の誤りではない)しない。まあ、ネットオークションにゴミと知りつつ物を出品するのに似ているかも知れない。でも以前は「発信することなど何もない」と言っていた。今は少し変わった。

 いやいや、懐古の話じゃあない。LINUXプリインストールPCの話だった。
 mini9+Ubuntuの使い心地だった。少なくともこの文字数を打ち込むことはできた。最後に遊んでいた頃(うーん、Pentium MMX 266MHzの頃)から随分と経つので、設定ファイル類が随分と変わっているようだ。ターミナルから叩いても無くなっているコマンドもある。でもこのUbuntuの開発チームは素晴らしい。フリーでデリバーしているにも関わらず、きちんとスケジュールを立て、アップデートを続けてくれる。
 ハードウェアの方は少々大きめで画面の解像度も荒いのだが、素晴らしく明るいバックライト、静音性に優れている。ディスクの「読み書き」が見えないことがこんなにも快適だとは思わなかった。キーボードは決して打ちやすいとは言えないが、BIBLO U50ではここまでの文章は入力できなかっただろう。まあ、あちらは(滅多に使わないが)良くも悪くもタブレットPCである。
 今回、折角安売りしていたので、なーんにもオプションは付けなかったけれど、四万円…安いよ。素直にDELLさんにありがとうと言おう。