「ちゃんとした」中華ラジオHRD-310と、ちょっと怖い中華製超高級バッテリー。

 先日、AliExpressであまりの安さについクリックしてしまった短波ラジオ。$8.84也。
 HRD-310と言うらしい。単三電池二本で動くのがきっちりとしてる。外部入力電源は5Vと、これまたきちんとしてる。
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付属品はこれだけ。ちゃんと箱が付いてくるのが新鮮だ。

 で、(やはり中華製の)超高級1.5V充電電池(1.2vじゃないよ)を二本おごってやったんだけど。

 63-108MHzのFM帯域にも切り替えができる。デフォルトのステップは短波が0.01MHz(ダイヤル併用で0.005)、AMが9kHz、FMが0.1MHz。マニュアルによるとこれは「デフォルト」のステップ、と言うことらしいから切り替えはできるのだろうけど、やり方はわからない。それ以外でもスリープタイマーなんぞが隠れているようだ。

 で、肝心の感度だが、FMは割と聞けるんだけどAMは全くダメ。SWはかすかに聞こえる。うん、まあ、中華製でありがち。でもほんとにAMが聴けない。サーチするとエンドレス。
 果たしてAMのバーアンテナが付いてないのかとまで疑ったが、ふと外部電源を挿したら聞こえるようになった。まるで短波ラジオみたいに。向きを固定しても音が大きくなったり小さくなったり。室内なんてこんなもん?
 しょうがないのか、本当に?

 もう少し探求してみる。上述の超高級1.5v充電電池には劣るが、日本人が絶対の信頼をおくエネループを完全充電して入れてみる。
 電圧的には3vが2.4vに下がることになる。
 すると、なんと、外部電源で5v給電するよりよく聞こえる。AFNもかすかに聞こえる。

 実は中華製高級電池の正体は3.7vリチウム電池。それに1.5vへの降圧装置を付けたものである。充電は3.7vの電極で行い、放電は1.5vへの降圧回路を介して行う。容量は私の古いエネループが1900mAhであるのに対し、高級電池は2800mWh、単位が違うのは、3.7vでの容量であることをぼかすせいか。その容量から更に降圧装置による損失分が引かれる。これを二本直列で使うのだが、各々の電池に2.2Vの電圧ドロップを起こす抵抗(とまでは言わないが)が入るわけで、取り出せる電流が少ないのかなあ、と素人なりに予想する。いや、それよりも昨今の降圧だとか昇圧は高周波回路で行われる。そっちが問題だろう。
 で
 そこらのお店で手に入るタイ製(○ーオンね)アルカリ電池を入れてみますた。ちゃんと聞こえました。時計機能が付いているので充電式はやめた方が良いかな。液漏れは怖いけど。
 と言うことで、中華超高級1.5v電池は駄目だっと判明。まあ、時計のような微小電流の時でも降圧回路はガッツリ動いているわけで、その部分で消耗して電池切れになるかもね。
 もう一つこの電池を使っていて気になった点は、何か操作をしていると、いきなり時計がリセットされてしまう。一時間で、三回くらい。飛ぶのは時計だけで、メモリなどは大丈夫。(メモリはフラッシュみたいで、電池抜いても覚えてる。)
※(後日追記)→原因は多分、電源切れだと思われる。このラジオの「ちゃんとしていない」点だ。このラジオの時計は単三電池か外部電池で保持されている。横のACアダプタの差込口にプラグを入れたり抜いたりすると、一瞬だが内部の電池と外部の電源のの両方から断絶する。それで時計が飛ぶらしい。DCプラグの先端はプラスとマイナスを分けるプラスチックの絶縁部があるわけで、厳密にはその微妙な形状で電源が切れる時間が異なる。でもこのラジオはその一瞬を逃さず飛んでしまうようだ。うーん、コンデンサか何かで何とかならないかな。電池交換の時に飛ぶのはしょうがないとして、外部電源の挿抜で落ちるのはちょっと困るし、もしかしたら電池を抜かずに外部電源を入れると、電池を充電しようとするのではないか。
 と言うことで、基本電池のみで運用しましょう。
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左下のが問題の高級電池。敢えてブランド名を出さないのは武士の情け

 なんだかんだの後で言えるのはこのラジオ、1000円前後にしてはよくできている。いや、決して高感度とは言えないし音もよろしくないが、チューニングはデジタルとアナログの融合でこれまでにない操作感。まあ、スケルチとかローカルモードなんてのは付いてないが、手の中に納まるサイズとかお値段とかお手頃です。レザークラフトでカバーを付ければ結構イケるかも。あ、勿論MP3録再とかUSBスピーカー機能もないので念のため。
 液晶は一般的な液晶セグメント型だが、LEDやドットマトリックス液晶よりは電池は食わないし、時計も常時表示しておけるので好感が持ている。
 各バンドは20局までメモリー。時計とタイマー機能付き。英語説明書付き(でも章番号だけなぜか漢数字)。

 それに比べてこの電池。実は1本でこのラジオ本体より高い。でもまあ、日本人だとこんなもの怖くて作れない。それをやったことは偉いと認めるべきだろう。3.7vと1.5vの電極が露出しているので、はんだくずとか、ホッチキスの針とかでショートすると危ないよね。調べればどのブランドかすぐわかるが、この会社は今でも磨きをかけて高容量化を図っている。
 この電池は、まあ、オンとオフがはっきりして、比較的短時間(一日とか)で使い終わるライトのような用途に向くだろう。でも高周波回路のそばで使っちゃだめだ。

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 以前紹介したSRW-810(下)との比較。SRW-810は音質も感度も値段なりだったが、今回のも更に低価格で値段なり。つまりSRW-810の下をいく。でも操作には変なところは無いし、愛着の湧くサイズ。