復権する電子ガジェットたち (2) - 音楽プレイヤーの話

二つ目はMP3プレーヤーである。

これは以前使っていたMP3プレイヤーの内蔵メモリの容量を増やそうと要らぬ色気を出したために破壊に至ったことが購入の動機である。元の機器は、Creativeにしては銘器になるだろう、MuVo^2って奴。これに余っていた8GBのコンパクトフラッシュを入れてみたらちゃんと動作したので、気を良くして最近聞いていたAudio Bookを突っ込んだら今度は容量が欠乏した。ならば32GBに入れ替えようと再度開腹し、CFを付けようとしたところ、フレキシブルケーブルが切れた…orz 開腹手術はもう10回以上やっていたと思うが(MuVo初期型から少しずつアップデートしてきたので)、そのストレスが溜まっていたのだろう。

安価なメモリプレーヤーなら1000円以下で買えるが、音質劣化は免れない。また、極端に安いものは、今時8GBまでしか対応できない。お手軽なメモリとしては32GBのマイクロSDである。が、探してみると意外とこれが使えるものは大型で比較的高価なものしかない。まあ、MuVo^2も決して小型とは言えなかったが、大きくて良いのなら、それこそ電話機能を封止したアンドロイド電話機がマルチメディアプレーヤーとしては優れている。(音質もそう悪くなかった。)
だからMP3プレーヤーは小さいことに意味がある。そしてアンドロイドで無いのなら大型画面と静電パッドは電池の無駄だ。

当然iPodのminiとかWalkmanは検討対象に入っていたが、あまり庶民的なお値段とは言い難い…で、最終的に購入したプレイヤーはSONYのICレコーダー、ICD-UX533F, made in Chinaになった。
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片手で操作するにはメニューボタンなどが使いにくい

機種名が出てくるまで長く引っ張ったので結論(お勧め度)を先に言えば、「ある特定の使い方に限定すれば◎」。
サイズはそこそこ大きいが、MuVo^2に比べれば体積比で3割ほど小さい。細いので、どこにでも差し込める。機能的にはFMラジオ、録音ができるので、落ちたものは無い。
改善点は、録音のステレオ化と高音質化、バッテリーがNi-MH単四型充電池1本に(付属)。電池寿命が延びた。そしてFMラジオ感度が上がって実用的になった(ようだ)。付属ソフトでPodcastを取り込める。以前iTuneでリッピングしていたファイルがそのまま聞ける…等々。スピーカーが付いたのも機能強化された点だが、せいぜいボイスメモが採れていることを確認する程度にしか使えない。

悪くなった点は、フォルダ階層が基本一階層のみになること(PCで深く掘っても表示は同じ)。ヘッドフォン出力が落ちたこと。そして最大の欠点がランダム再生モードが無いこと。
このランダム再生機能が無いことを受け入れられるかどうかが、この機器をお勧めできるかどうかの分かれ目である。ティーンエイジャーの頃なら一人のアーティストのアルバムを始めから終りまで聞くこともあったが、だいたいアルバムには駄作も多い。連続して聞くと疲れるし、最近は好きな音楽だけ入れてシャッフルするようなプレイばかり使っていた。まあ、当座はオーディオブックとかポッドキャストで遊んでいるので私的には不都合ないのだが。
フォルダ階層とランダム再生モードについてはソフトウェアの改修による改善ができる点なので是非ともファームアップして欲しいが、ライバル機(オリンパスの何とか)も同様だし、型遅れでもあるので期待は薄い。

音質はかのWalkman DD以来永らく聞き「慣らされた」SONY音質である。私は勝手にこれを「お手軽な高音質」と呼んでいる。SONYよりも高い音質のオーディオを知らないわけではないが、入手しやすくコストパフォーマンスが高い音だと思っている。メーカーの「音」として安定感があるし、それはCreativeのものより安心感がある。あくまでも定性的な主観である。
基本MP3なのでエンコーダ次第であるが、左右の独立性が高い気がする。S/N比はCreative(98dB)ほどではないと思うが、単四電池1本にしては頑張っている。まあ、結局ガム型電池と同じ電圧なのだから得意分野ではあるわけだ。

おおよそこのような機器に付属するイヤホンは、上位の物に変えると音質が向上する、とよく言われる。機器に付いてくる貧弱なそれは、実はその機器が「鳴らしきる」品質だったりする。でも良いヘッドフォンはこのデバイス「を」鳴らしきる。純正でも少し音量を高めに、イコライザーで「ロック」でも選べば低音はそこそこ響くが、同じSONYの二千円クラスのイヤホンに変えたら少し幸せになれる。気を良くして古いゼンハイザーのインナーヘッドフォンを付けたら7~8割の音量で更に幸せになれた。でもテレビ用など大型(高抵抗)のものは鳴らしきれずに逆効果である。アクティブノイズキャンセラー付きの密閉型ヘッドフォンなら、基本的にアンプなので多少のパワー不足を補うことも可能だったが、この辺りは静かなのであまり使わないんだよね。
まあ純正はFMアンテナも兼ねているわけで、コード長が変わってあまり良いこともない。

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実は箱をあけて一番感動したのが、このシャッター付きのUSB端子だったりする。中国製でもそこはSONY

「レコーダー」として使用することは今後ないと思うけど、昔バイノーラルマイクロフォンで様々な音の生録に嵌ったことがあって一応調べてみたら…やっぱり音響機器って高くつく。


多分、三つめは無いと思う。アンドロイド一台失っただけでこれ以上出費したくない。