Be a Hacker, Not "the" One.

AMAZON、お前もか / ハッカーへの提言
 
 WikiLeaksが楽しい。
 
 いや、報道されているような重要な国家機密を探すのは大変なんだけど、無線のログなんか結構それっぽい(それって何かは見てみよう)。ライブではなくてログなんだけど、今、ここが世界有数のサイバーアタックの現場かと思うと何だか心が高揚する(笑)。サーバー維持ご苦労さまだけど、ちょっとだけバンド幅を使わせてもらって覗いている。
 ログを覗くには簡単なID登録が必要だが、これはロボットによる大量アクセスを排除するためのようだ。まあ、私の個人情報がどこかの機関に採取されているかも知れない。そんなことは…普通だ。
 
 このブログでは、テーマそのものを深く掘り下げないことを旨としているし(笑)、いろんな方が私より遥かに優れたコメントをされているので、私自身は斜め下か上を観るよう心がけている。
 
 で、だ。
かのAMAZONが、その保有するサーバからのWikiLeaksへのアクセスを停止したそうである。インターネットの草分けである同社が、完全に商業主義に収まってしまったのはお気の毒であるが、もしこれがブラウザを提供する会社だったら一大事である。
ブラウザレベルでアクセスする自由が失われたら、ネットの世界はそれを抜けられる者とそうでない者で多重化する。まあ、ブラウザにはオープンな物もあるから、そこが最後の砦になるかな。でも今ですら、ブラウザを選ぶサイトは当たり前のように存在するから、その深刻さは想像し難いものになるかも知れない。
 
 更にWikiLeaksサーバに対する攻撃が激しいらしく、実際とても重い。米国に与する機関が攻撃するのはいい腕試しだろうが、困ったのは一部の「似非」ハッカーが攻撃に加わっていることである。
 
 ハッカーは観察者であり、傍観者であり、探求者であるからこそハッカーと呼ばれるのだと信じている。
 
 だから頼む。ハッカーならば、ハッカーであり続けたいならば、いかなるサイトへの攻撃もやめて欲しい。直接的な攻撃は、対象の防御力を高め、目的の邪魔をするだけだ。優れたハッカーであるならば、何の痕跡も残さずジャックアウトできるはずだろ。
 
 米国の敵だ、なんて大義名分を振りかざすハッカーなんて笑っちゃう。過負荷攻撃なんてゲインの無い、最も稚拙な行為だろ。クラッカーの方がよっぽど高級だよ。
 
 すべての情報は発信者の善と信じるココロから発信される。それが本当に善か悪かを判断するのがハッカーの社会的役割だと考えている。その発信者、もしくは発信された情報、なぜその情報を発信したのか、などの背景を探るためにハッキング技術がある。その判断が、個人的な環境により一般の基準から外れたものになるにせよ、あなたが「ハッカー」である限りそれは自由だ。しかし、あなたの判断を社会に伝えたいならば、自らの情報発信ベースを持つべきだ。それは再びハックされ、次のハッカーにより他の解釈が行われる。
 
 誰も何も持たず、ゆえに誰も何も奪わず、誰が統治するでもなく、純粋なロジックか、そうでなければ少数の意見も残したままの多数決論理がまかり通る、ただそこにあるだけの世界。私はこれが、ネットの自由な世界を維持する形態だと考えている。