おもちゃの話1

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04/03/2008(Sun) 40年目のヘリコプター
 さて、四月に入って、いや再就職して初めての二連休である。ブログの更新をサボっていたのはBusinessに取り付かれていたからだ。私的には専ら家内の力で新しい住まいの水周りやカーポートの設置、各種住所変更にフレッツの工事なんやかんやの手続きで気忙しい毎日だが、今日はおもちゃの話をしよう。
 いい歳をして、私はまだおもちゃから卒業できない。いや、卒業しそうに無い。特に模型関係は好きで、うん、小学生の頃にプラモデルについて書いた作文が文集に載ったこともあった。そう言えばその作文でプラモデルを「作ってしまうと、悲しい」と書いたのをやんわりと先生に「作ってしまうととても嬉しいです」なんて感じに修正するよう求められたのを思い出す。組み立てる過程が好きなんだ。今でもプラモデルは好きなんだけど、大人になって作り出すと、やたら塗装に気を使って全然組み立てる楽しさがない。大人買いで比較的入手しにくいものがあればついつい財布の紐が緩み、気がつけば今回の引越しでパソコンのブラウン管CRT大箱一杯の未組み立ての模型が発見された。
 さて、数ある模型おもちゃの王道と言えばラジコン、中でもヘリコプターに辿りつく。ラジコンへの芽生えは、小学生高学年になってからかな、「模型とラジオ」なる雑誌にcox049(あ、模型用のポピュラーなエンジンね)を使ったサンワのポルシェ組み立てキットの広告が載っていて引き込まれた。それまではライトプレーンやプラモデルだけだったけれど、ラジコン用のエンジンに本当に魅入られた。まあ、地方の小学生が当時13,800円だったかなぁ、そのくらいのセットを買えるお金も無かったけれど、中学生になってそのエンジンのみを買った。これは4,900円だったと思う。
 空物(そらもの)の模型は古く、幼稚園時代に遡る。はは、40年くらい前だ。父親がライトプレーン「赤とんぼ」って奴を買ってくれた。いや、その前に名前はわからないが、ライトプレーンを一機作ってくれた。当時は「ライトプレーン」って呼び名を知らなくてただ「グライダー」って呼んでいたけれど。他にも竹を使った竹とんぼや弓矢、竹馬(当時山育ちで竹はタダで取ってきていた)もあったけど、ゴム動力で飛ばすそいつは、そうクールなおもちゃだった。それから小学校低学年の頃、夏休みに時々行った市民プールへの道の途中に、ラジコン飛行機を飛ばす連中がいたけれども、遠目から眺めるしかなく、ああ、ラジコンって自由に飛行機を操縦できるのか、いいなぁ…程度に留まるしかなかった。ラジコン飛行機がどんなものでどんなコントロールをおこなっているか全くわからなかったからだ。
 しかし、その内容は「模型とラジオ」に続き「ラジコン技術」雑誌を手に取ってから明らかになる。最初に買った「ラジコン技術」にラジコングライダーの制作記事が載っていた。図面を眺めて、これなら作れそうだと思った。そしてまずはそう、翼長30センチくらいのフリーフライト機を作った。そのサイズにしたのは、近くに一軒だけあった模型店に60センチのバルサしか無かったから。まあ、稚拙なできだったと思うが、飛んだ。嬉しくて、最後には(爆発しても機体が壊れないように)アルミ箔と銅線で巻いたロケット花火を動力として飛ばした。これは投げる前に噴射してはかなわないから、導火線に着火後すぐ飛ばすのだが、地面すれすれで噴射が始まり、スムースに上昇を開始した時はうーん、子供ながらに感動した。当時、プロポは大変高価で買えなかった。その頃出てきたのが京商(模型メーカーね)のモーターグライダー「スポルタビア」で、エンジンにまたもやcox049だ。これなら田舎では入手しにくいショックコードも無しに機体が上昇できる。うーん、ってんで今度はそのラジコン連中の基点だったある模型店で遂にその049を手に入れる。今度は全長90センチ、翼長よく覚えていない。逆ガルウィングの機体で、前面は真っ直ぐベニヤ板を貼り、そこにcox049を据えた。でもね、飛ばせなかった。エンジンが壊れるのが怖くて。しょうがないからフリーフライトで投げてみた。着地のダメージが少なそうなお茶畑で(すみません、農家の方)。飛んだ。投げるだけで二十メートルほど滑空した(あ、ちょっと上の方から投げました)。 そのcox049は以後、プッシャー機のBD-5に搭載し、つい先月には僕の机の上にあった。もう回らなかっただろう。ピカールでピカピカにして。今は引越し荷物の中、どこにあるのかわからない。
 さて、そんなこんなで僕は高校生までにガソリンエンジンの「GSバロン」まで行き着いた。最初で最後の(いや、これから先はわからん)エンジンヘリコプターである。しかしこいつは力不足で飛ばない。フルセット79,800円也の通販だった。エンジンは回ったけど、壊すのがやっぱり怖かったし、その頃にはラジコンを自由に飛ばせる空き地がなくなっていたのサ。一度だけ庭先でフルスロットルにしたことがある。調整不足でヘッドに振動が多く、浮かなかった。へばりんぐだ。
 そのころかな、やっぱり自分は作る過程が好きだった、って思い返す。飛ばさなくても何となく満足していたんだ。

 そして大人になって再びラジコンに目覚めたが、そこは関東。元々飛ばす場所なんてない。なに、最初は室内の自動車に手を染めた。トイラジコンに万歳だ。確かにホビーラジコンの飛行クラブはあったけれども、非常に閉鎖的で、ラジコン屋を中心に飛行場を確保してるけど、新しい会員なんて募らない。飛ばす機会が減るだけだから。あ、でもオークションで手に入れましたよ。サンワのポルシェ。箱ぼろぼろだけど未組み立て。二機目のcox049。
 その後調子に乗って中華電動ヘリなんかも買ったけれども、やはり飛ばせなくて、そのまま今回の引越し荷物に。さあて、どこかの山を買いたいな。
 で、今僕の目の前にあるのがタカラトミーのHeli-Qだ。ちょっと前に買っていたんだけれど、今日初めて充電して飛ばしてみた。
 竹とんぼみたいにコントロールできないし、また着陸もかならず引っくり返る。天井にすぐ当たる。壁ではねて墜落する。でも面白いよ、これ。室内で飛ばせる竹とんぼ。ただホバリングさせるだけだけどとっても楽しい。なんだか40年前の自分がそこに居るようで、さっきからなぜか涙がこぼれているんだ。