進化について

04/06/2008(Sun)
 社会復帰して一週間。ネタはたくさんあるのだが、今週は帰宅時には力尽き、なかなかこの更新ができずにいた。完全週休二日制でも無いから、今週は今日、日曜日だけが休日だった。
 四月に入って、しかし引越しはまだできずにいるので、それまでは実家に居候で、新しい家(いや、中古なのだが)の改造を家内がかいがいしくやってくれている。カーテンや蛍光灯や庭木刈やガスレンジの買い替えや風呂のボイラーのリモコンや洗濯機用水道配管の改造やカーポートや床磨きワックスや…なんやかんや。
 買うしかないものにはお金を払うしかない。今月の生活費のやりくりも難しいのにお金がどんどん出て行く。この一ヶ月、唯一の収入は昨年11月末に骨折した際の保険金である。まあ、いまだに左足の骨は痛むし、歩けば腫れる。しかし、最近保険金の不払いが報道されたせいか、前の会社で入っていたほぼ掛け捨ての傷害保険で思わぬ収入になり、ちょっぴり嬉しい。当初聞いていたところでは通院一日当たり2000円で、まあ、リハビリ含め十数回通ったけどすずめの涙と思っていたのだが、その後「自分で外せないギプス」をしていた頃はどうやら入院と同じ扱いであったらしい。…だから一日○千円で…と言う浅はかな喜びを言いたかったわけではなく、世の中の常識ではそんなギプスをはめている間はベッドで横になっているものらしい。人生初の骨折だったからそんな事情も知らず、最初に病院でギプスを巻いた時に半日だけ年休を使っただけだった。
 元々、捻挫と思って数日放っておいたから、その後に骨折でしたのでベッドで寝ています、てな訳にはいかなかった。両肩と両脇、左足を叱咤して松葉杖の生活。まあ、これくらいのご褒美はあっても良いだろう。
 脱線した。
 家内が上記のような仕事をしてくれているおかげで、私はインターネットの都合を調べていた。今度の家は橋を隔てた団地にあり、遠距離ながらも実家から見える位置にある。同じ市内でもある。しかしインターネット事情は大きく違った。この団地は二十年位前に建造されたものらしいが、実は島にある。先の橋は長さ二十メートルも無い瀬戸を渡る橋だったのだが、某電力会社のお抱えらしく、電話番号こそNTTで移動してもらえるものの、インターネット関係ではその電力会社が持っている回線を使用してNTTがサービスをしているらしい。
 「安価で速いADSL」と言うのでカッパーのフレッツADSLモアスペシャルと言うすごい名前の回線を希望することにしたが、何とNTTの基地局からは5.9kmも離れているそうだ。当然Yahoo!BBを最初に選択して調べたのだが、何と交換機にYahoo!の機械が入っていないらしい。で、フレッツは\15,000也の工事費を払い、かつ回線が空いていたら加入できるそうだが望みは薄い。連絡待ちである。
 そもそもその土地では上記の電力会社が独自のADSLサービスを行っていた。いまやその新規入会を勝手に打ち切って、光ケーブルのみのサービスしかしていない。
 私の業界では家に帰ってまでインターネットをする気は無い、と言う人も多くいる。しかし、私にとってはライフラインである。たとえ新聞を止めても、NHKを止めても(これはいつも思っている)ネットは必要だ。人間が自ら発明した進化の道だと思う。共通知識の礎である。全てのメディアを凌駕して広がる触角である。いや、それは幻想かも知れないが、私が死ぬまでこの世界は続くだろう。だから、このボーダレスの世界に依存し続けよう。
 総務省が、不特定多数の人とファイル共有をするソフトウェアを規制しようとする動きがあると言う。お手並み拝見しよう。その総務省が数年前にテレビ放送をネットでリアルタイムに観る、などと言ううたい文句で映像共有ソフト開発に補助金を出していたのをご存知だろうか。探せば今でも手に入る。そんな「ポリシー」の無い政治にこの世界的な流れが止められるものか。私はソフトウェアの価格は(残念ながら)タダになると思う。パソコンのソフト、電話のソフト、映画、テレビ番組。書籍は紙と言う媒体を持ち続ける限り存在し続けるだろう。しかしコンピュータで産出される多くのソフトウェアは、タダになる。ビジネス用は最後まで生き残る可能性はある。しかし、近い将来、ソフトウェアを作る仕事は世界募集になる。要求仕様と納期が提示され、金額は全世界からの入札で決まる。言語は関係ない。いや、必要であればその翻訳の発注も世界規模になる、と予想している。その時仕事が得られるのは単価の安い地域(そう、国ではない)の人だ。その金額で生活していける地域の人。
 そうなれば世界はどうなるか。クリエーターは天国だ。神と呼んであげても良い。最初にソフトウェアをリリースする芸術家。そしてネットを改良していく人々、物や人の移動を司る輸送会社、そして電力会社と第一次産業。今、海外で生産されている製品を国内で生産することにあまり意味が無い。徹底した低コストが望まれる。
 このまま行けば収入はガタガタだろう。日本の街の様子はスラムかも知れない。政府は倒れるかも知れないが、まあ、何かが代わるだろう。では一般人はどのように生計を立てて行くか。…なってみないとわからないなぁ。でも自分で畑を耕して食料の足しにはしたいね。

 ちょっと極端かも知れないけど、こんなことをいつも考えている。