秋月USB-シリアル変換ケーブル、Arvel HDCUSM on Win8 64bit

今回の記事は、Junk Wordsカテゴリ、ってことで殆どの方にとっては全く意味がない。コンピュータの周辺機器であるUSB-シリアルポート変換アダプタの、Win8 64bit用ドライバに関する記事である。

1. 秋月USB-シリアル変換ケーブル
まず、秋月電子の廉価なUSB-シリアル変換ケーブルのドライバーソフトウェアについて、そのチップPL2303の製造メーカーであるProlific社から「Win8ではPL2303はサポートしない」との意向で、秋月サポートでも基本的に対応できませんと言っている。それでもかなり問い合わせがあったのか良心的に「古いドライバーで通信できることがあります。無保証ですが。」と幾つかのバージョンのドライバをダウンロードサイトに置いている。私も三本ほどこのケーブルを持っていたりするのでちょっと試してみたところ、私の使うノートPC、HP Envy dv6と鼠コンピュータLuvBook Kシリーズ(共にi7 4コア、Windows 8Pro, 64bit)ではversion 1.5.0で認識し、実際に通信できた。
これはMicrosoft認証済みのドライバーであり、最新版1.8.0でも認証を回避するインストールを行えば動く可能性はあるが、それは試していない。

どのPCでもこの版が動くかどうかわからないので、ちょっと試行錯誤の手順を残す。
基本的に「動作するドライバの中で、最新版を探す。」ことを目的とする。だからアプローチ的にはOSが64bitなら64bitをサポートしたドライババージョンの「古い順」に入れて行き、デバイスマネージャで「!」アイコンが出た時点でプロパティから「ドライバー」タグ、[ドライバーを元に戻す]ボタンでひとつ前に正常にインストールできた時点のものに戻す、のが正当な手順だと思われる。もし最初に入れたドライバーがダメであれば次に新しいドライバーを入れ、最新までやってもダメなら諦める。
(ところが、秋月のサイトにあるのは5本程度のバージョンのアーカイブであり、私的にはこれを一から試すのは嫌だったので、新しいものから入れて運よく二回目でビンゴ!だった。)

ただ、最新版だがダメなドライバを入れてしまうと、USBポートの差し込み口を違える度に[ドライバーを元に戻す]をやらなくてはならないので面倒である。これは蓄積されたドライバの中から最新版を優先的に使用するOSの罠であるので、その「蓄積」の中からダメな最新版(と動くけど古くて使わない版)を削除すればよい。
その手順は
(1) まず、残すべきドライバファイルのバージョン番号をメモする。それは正しくインストールされたデバイスマネージャ画面で、そのポートを右クリック、プロパティから「ドライバー」タブ、そこに記載されているバージョン番号(私の場合は"3.4.25.218"だった)である。
(2) 探すべき対象ファイルは"ser2pl64.sys"である。
(3) 蓄積場所の標準は c:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository\ の下にあり、フォルダ名"ser2pl.int_..."の中に"ser2pl64.sys"がある。このフォルダは過去にインストールした回数分ある。フォルダ名"..."の部分が異なる。
(4) そのフォルダを逐次開き、中の"ser2pl64.sys"ファイルを右クリック、プロパティから「詳細」タブ、そこのファイルバージョンを比較する。私の場合、ここが"3.4.25.218"ならそのまま残し、それ以外だったらフォルダごと削除した。

以降、どのUSBの口に挿してもこのバージョンのドライバが選択される。ダメなドライバをデバイスマネージャーの右クリックから削除してもこの蓄積は消えないようだ。因みに、「前回のドライバ」は別の場所にある。知りたければWindowsフォルダ以下から"ser2pl64.sys"を検索すれば出てくる。

因みにアーカイブに付けられたバージョン番号とドライバ(.sys)ファイルのバージョン番号は異なる。今回の"3.4.25.218"は、
デジタル署名者:    Microsoft Windows Hardware Compatibility Publisher
なので、たまたま動いたのかも知れない。ならば、現時点で最新のアーカイブ1.8.0に含まれる.sysも、認証回避でインストールを行えば動く可能性はある。試して手順教えて下さい。

2. Arvel USBドックミニ HDCUSM
ArvelはBaffaloに吸収されたようで、このオリジナルドライバはBaffaloのサイトからversion1.2.0を
落とすことができる。しかしこのドライバの日付が2002年4月なので当然Win8 64bit環境では動かないと思われる。
このデバイスはUSB1.0時代の古いものだが、「ミニドック」の名称からわかるようにポート拡張デバイスで、USB1.0の口が二つ(つまりUSBハブ機能)、シリアルポートx1、パラレルポートx1を取り出すことができる。「ミニ」でないものもあったけど手放した。パラレルポートは古いプリンタにしか使えないようで、あっさり諦めている。そんなプリンタ持ってないし。
で、このシリアルポートであるが、このチップはFTDI社のものである。だからFTDI社に行ってここから最新版のシリアルドライバを持ってきたらあっさりと使えるようになった。尚、この会社のWindows用ドライバアーカイブには32bit/64bit混載、VCPドライバもD2XXドライバも含まれている。インストーラを走らせれば適当なものがインストールされる。
現在、私のPCで動作しているドライバは次の通りである。

プロバイダー:    FTDI
日付:            2013/07/12
バージョン:        2.8.30.0
デジタル署名者:    Microsoft Windows Hardware Compatibility Publisher
C:\Windows\System32\Drivers\ftser2k.sys
C:\Windows\System32\Drivers\serenum.sys        6.2.9200.16384(win8_rtm.120725-1247)…これはMS社製で共通
C:\Windows\System32\ftcserco.dll            2.01.03.1 FTDI Ltd.
C:\Windows\System32\ftserul2.dll            2.8.30.0  FTDI Ltd.

尚、USBハブとしての機能は、デフォルトドライバでちゃんと動作するようである。残念ながらパラレルポートは見えなかったが、誰か動くようにしたら教えて下さい。用途ないけど。

余談だが、このミニドックのUSBに1.の秋月ケーブルを挿し、シリアルポート間をリバースケーブルでつなぐ(つまり輪になる)と二つのCOMポート間で問題なく通信が行われることを確認した。上限の速度でも問題なかった。

以上。