再び電池の奴隷

これは私的にはバイクネタである。
これまでVmaxに手を加えたのは、アクセサリ電源ラインの引き出しと、ECUの交換のみである。あ、強いて挙げればOptimate4の充電ラインもバッテリに繋いだ。既にLED内蔵のナックルガードなど定番のものは確保しているが、全く取り付ける気にならない。

外見を変えたくない。

ただ、この車体の勿体、即ち怒涛の加速感(陳腐だ~)を堪能するには高速道路の走行は基本であり、ETCの接続は自然の流れである。ただ、バイク用ETCはアンテナの内外問わず、ハンドル周りに何らかの不調和をきたす。(ん、ライダー自身が最悪の不調和なのはわかっている。)つまり、何かステーを付けることになるのだが、折角のカウルレスなので前方視界に異物は置きたくない。なので当初は引き出したアクセサリラインに繋ぎ、本体はアームバッグで人間ステーになっていたが、結構面倒くさい。短時間でもバイクを降りたときにわざわざコネクタを外し、その時のケーブルがシートの隙間から垂れるのも気にいらない。

そこで、ちょっと考えた。
ETC本体をバッグ、もしくはポケットに収めたまま、バイク外のバッテリーで駆動できないかと。そこでようやく最初の写真になる。
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えーっと中央のバッテリ高さが12.6cmです。

ラジコンのバッテリーも考えたが、お手軽に持ち歩きができる、旅行に行っても充電器がかさばらない、と言う理由で、電話機用の外部バッテリーを物色した。これまで、そう言うものを常時携帯し、それが無ければ電話ができずに生活できない、ってのはかなりイッた人だと思っていたし、その製品もあまり気にしていなかった。が、上記のような些末なことを気にするのもかなり変わっている。
ただ、こいつらがカバーするのは主に5V帯だから、12Vの機器をドライブするには何かしらの昇圧回路が必要となる。しかしリチウムポリマー電池は基本3.7Vだったかな、兎に角既に一段階昇圧しているわけで、それを更に昇圧しても出力は安定するのだろうか。これがDCモーターのPWM制御ならインピーダンスである程度の電圧は保たれるだろうけど、そもそもETCって電波機器だし、出力足りないなんてことはないのだろうか。

…とかなんとか考えながら、考えるのをやめて買ってみたのが右側のバッテリー、cheero Power Plus 2って奴である。正確な名称は何だか発音しにくそうなウムラルトが付いている。
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アマゾンから購入した。10400mAhで\2980。まあ、他の有名ブランド品に比べれば大容量でかなりお安い。3千円を切ったのが購入動機かな。作りも悪くない。金属製のボディ、タッチ式の側面スイッチは押し間違いがあるかも。残量インジケータは3個のLED、白色LEDの非常灯も付いている。出力は二本、二本ともUSBで、片方が1A、もう片方が大容量機器…主にiPad用の2.1Aを出力できる。付いてくるポーチのクオリティがすこぶる高い(笑)。まあ、USBなので電話機の充電だけでなく、メモリー式カーナビのサブ電源にも使える。ただ、考えるのをやめただけあって、無用の長物化しつつある。昇圧回路を作るより他のバッテリーを買う方が楽だ。まあ、パーツはあるからいつでも作れるが、今度はそれが荷物になる。
あ、因みに10400mAhってたぶん3.7Vベースだし、メーカーによって言い値は異なる。昇圧してるならよほど優れたチャージポンプを備えていない限り、その容量の3,4割程度は無効になる。異常電流時の自動切断機能が付いている。これは素晴らしいことであるが、バッテリー内蔵型の機器(例えば私のナビ)に接続すると、内蔵電池が満充電になるとスイッチが切れ、再度ボタンを押すまではリチャージされないはずだ…と思っていたらナビ6時間連続使用可能で、LEDインジケータは1個しか減らなかった。あまり安全機能に期待しない方が良さそうだ

次に発見した(してしまった)のがちょっと大きいバッテリー。これは中国から個人輸入。裏にはYSD-998と書いてあるがどんなメーカーなのか全く分からない。少々お高く$35(送料込み)。このバッテリーの優れているところは、USBの5V出力(iPad対応)に加え、規格プラグで9V、12Vの出力がある。そう、これがあれば昇圧回路は必要ない。筐体はプラスチック製だが、重量は先のcheeroより少し軽く、容量は12V出力で6500mAh、5Vなら15000mAhと、先のcheeroの1.5倍である。小さいながらバッテリ上面にスイッチがある。
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YSD-998

難点も幾つかある。充電器が専用12.6Vになる。しかしこれはスイッチング式で、電話の充電器とほぼ同じサイズ。怖いのは12Vの取り出し口と充電の口が同じであること。つまり12.6Vで溜めて12Vで取り出すわけで、明らかに個別セルの電圧管理はなされていない。ま、それはcheeroも(多分)同じだが。あと、残量インジケータが無い。
でもこれならETCを使いつつ、ナビも継続充電が可能である。まあ、ナビはバッグに入れたままなので音声だけを聞くことになる。
このバッテリ用に12Vケーブルを製作し、試してみたらちゃんとETC認識された。その後点けっぱなしで4時間ほど流したが、ETCのReadyランプはずっと点灯してた。まあ、数日の旅行ならチャージ無しでも使えるんじゃないかな。充電後、私の精度の悪いテスターで電圧を測ると11.8Vと少し低め。うーん、3.7Vなら三個直列で11.1なので充電直後はこんなもんだろう。

少し脱線するが、誰か国内用ナビで音声のみ、ってのを知らないだろうか。(ボイスナビと検索するとゴルフ用品しか出てこない。)かなり昔、米国のレンタカーに装備されていたのだが、LCDのドットマトリクスディスプレイ(20文字x2行くらいの、よくある奴)とボタンだけを備え、ナビは音声のみ。でも中々良かった。無論出力は英語だったが、決まった文言だけなんで(右とか左とか、何ブロックとか)、すぐ慣れた。運転してて気が散りにくい。バイク用としては良いチョイスだと思うが。

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YSN-K12180

トリを務めるのが最近入手したYSN-K12180って上の写真の奴。送料込み$24。これはタバコの箱より一回り小さいプラスチック筐体で、容量は12Vで1800mAh。まだ試してないが、このバッテリーは危険である。なぜなら見えるUSBの口は何と12Vを出力する。このバッテリーは12V出力専用なのである。更に付いてきた充電器はこのUSBの口に挿す。つまり、充電器も12V出力のUSBコネクタなわけで、二重に危険である。ただ、一つこれを買った理由はON/OFFのリモコンが付いてくるから。つまり高速道路のゲート通過時だけスイッチを入れられる。なので小容量でもokってわけ。リモコンは…腕周りにぶら下げておくか。
バッテリ本体にもスイッチはあるが、そもそもバッテリ本体はバッグの中にあるので、走行中にオンオフは難しい。オンオフだけなのにボタンは4個も付いてるいい加減なリモコンだが、これは電波式なので背面のバッグ内にある電池の制御ができる。但し、リモコンの待機電流は本体スイッチをオフにするまで消費するのだろう。あとは、残量計が無いのが少し心配。
近いうちに短いケーブルを作って試すつもりである。電圧が先のテスターでチャージ直後が12.2V(USBの口で測定)。中身どうなってるんだか。先のバッテリー同様、ケースを開けるためのネジ穴は樹脂で塞いである。
因みに、このバッテリーメーカーの同系列の製品で、ちゃんとUSB5V出力のものもある(が、リモコン付きは見つからない)ので、一層紛らわしい。

さて、そもそも二番目とか三番目のバッテリーが何故存在するのか。どうやらこれらは定点カメラの電源のようである。防犯目的とだけでなく、植物の観察とか動物の野外監視を行うためのカメラに用いるらしい。
結構無駄な買い物をしたが、バイク保管庫の警報装置とか、監視カメラ、あるいは車載カメラの電源として、用途はあるので、これくらいで終われば問題はない。

さて、ETCをバッグに水平に取り付ける方法を考案せねば。