an nostalgic circuit

 で、ほぼ連投なんだが、前のをアップした直後に私にとって三枚目の「何とか」duino、GR-Sakuraが届いた。いや、名称には"duino"は入って無いし、Arduinoの互換品と呼ぶにはちょっと難点がある。
 
 なんとなーく「ヲターク」臭のする話になる予感。
 
 これは傾きかけたかのルネサスが存亡を賭けたプロセッサなのである。今やマイクロプロセッサの85%はARM社が設計したものになっていると言われている。その中で善戦しているのがルネサスであり、その主力がH8シリーズだった。このプロセッサはRX-63Nとか言う奴で、H8の後継機種だそうな。イタリア発のArduinoにピン互換、ソースコンパチになっている。発売日は明後日と聞いていたが、今日届いた。無論それ以前に抽選で評価版が配布されており、その人々を中心に講習会やWebイベントで何とか盛り上げようと企業努力がなされている。
 
 そんな企業の事情など露知らず、「ん?速そう。何だかピンが一杯あるし…」ってんで予約。予約したのはどうせなら、ってんで高い方のGR-SAKURA Full(\4700)って奴。イーサネットやらMicro SDスロットなんかが予め半田付けされているだけの違いだが、価格差1200円。部品を個人で購入する場合、これより安く購入できるが、地方住まいの私には送料が必要である。更にこの基板の出来は、機械が作っているのか熟練工が作っているのか知らないが(表面実装は無論機械だろうが、ソケット類の取り付けがどうか)、少なくとも私が手を下すよりはるかに美しい。
 
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隣にあるのは単四電池
 
 届いてみるともうこれ以上小さくできない、ってほどのシンプルなパッケージである。どうやらこの紙の箱も、ケースになるよ、って言いたいらしい。
 基板を出してざっと眺めてみる。
(1) ピン数を稼ぐためのホールが多数あいている。これらの孔にピンを立てればArduino Mega並み、とまでは行かないが、かなりのインターフェイスが得られる。
(2) USBホスト用のAコネクタが基板裏に刺さる。これは実装されずにパーツとして同梱されている。
(3) ついでにXBee向けの2mmピッチホール列がある。これも本体は裏面に配置されそう。
(4) イーサネットコネクタがピンコネクタより高く、この部分を覆うシールドは実装できない。
(5) R3に対応して?デジタルピンの追加2ピン分が、ホールだけ開いている。
…要はマックスの互換を望むなら、モジュラソケットの無い非Full版を買えと言うことだろう。それなら\3500。そこらの付録つきの電子雑誌よりコスパ高いと思うよ。
 
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果たしてJTAGが普通の人々に要るのか…それより端子もっとあるよね?

しかし、基板の裏にも実装させるとは日本人、細かいなあ。でもそうしたら、よくあるベンチプレートは使えない。既に裏面にはMicro SDソケットが実装されているけど、表裏にコネクタがごろごろしてる基板って…板と言うよりカタマリっぽい。
 
 イーサネットコネクタの背が高い問題については、先輩であるNetduino Plusのコネクタが基板に半没したものが技ありだけど、改造しないとロックが効かない。
 
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イーサネットコネクタが突出。基板も厚い
 
 この基板設計者は三十代前半、と見た。ARMのRISCにどこまで「冗談で」付きあえるか。このチップの駆動周波数は96MHz、そこらの雑誌(またもや!)に付いてくるどの基板より早い。かたやArduinoは16MHz、更にRISCとCISCの差を考えれば性能差はかなりのものだろう。電話のチップに比べるとまだまだだが。
 
 電源ソケットの統一など、事前に知らされていたものよりはかなり改良されているようだ。どうせなら開発は.Net Micro Frameworkにして欲しかったが、それも含めて今後の楽しみか?
 
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これは秋月のコンパチ機。最初に買ったArduino互換機
 
 私が中学生の頃にこれがあったら少しは違った人生だったかも。
 
 男子にはラジオとか電子機器に興味を持つ時期があるらしい。もし皆様のご子息がそんなものに興味を持つようなら一枚お勧め。互換品なら探せば1000円くらいから。実用的な実験ができるブレッドボード付けても安いです。但し、高級言語でプログラミングができるスキルとパソコンは要ります。(この世界には下手に高級言語使えるよりアセンブラ学んだ方が役に立つ場合が多いです。が、そんなことを考えるのは大人になってからで宜しい。)
 
 そう言えば、私の場合は学研のマイキットだったかな。バネの間にリード線を挟んでいけばラジオなんかができるんで結構はまった。あれはコンピュータの知識は要らないけど、回路図を読む力が無かったからただ線を言われるままにつないでただけだった。それでも何かができる。それが楽しい。
 
 で、何を作ってたんだっけ?