Bread Boarderの憂鬱

 bread boardとはパン屋の道具ではない。ググったらあったので念のため。

2.54mm間隔で縦横に細かい孔の開いた板のことである。そこにピンを刺したり抜いたりすることに尋常ならざる興味を持つ奴らのことをBread Boardersと呼ぶ。
 
 秋月のラインアップに、このボード用にピン間隔をアレンジをしたコネクタやアダプタの小さな基板が並べられているのを知ったのは何年も前。それを二、三個買っていた。しかし奴らのようなSM趣味の無い自分には、それを使うことはなかった。今日までは。
 
 ところが最近「何とか」duidと言うマイコンボードにはまり(因みに「何とか」に"Ar"と付く奴は一つも持ってない)、bread boardの出番が増えていた。再び半田ごてを握っていくつかの工作をした後、パーツボックスに手を突っ込んだのが運のつき。二、三個と思ってたそれはいつの間にか五、六個に増殖しており、小一時間ピンを基板に取り付ける細かい作業を強いられることになる。
 bread boardとは半田ごてを握らないための一手段であるはずだが、そこで使用するパーツを、しかもbread board上で作ることがgood grief!なのである。
 
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ちなみに右手前のは二軸加速度センサ。今では千円を切っているが、買った当時は二千円也
 
 
 いや、2.54mmの間隔で半田をつけることには慣れている。最近はその半分のものも少なくない。しかしbread board用のピンは結構細く、割と正確に垂直さが求められる。中には一本だけ立てる場合もある。そんなの垂直に立たない。だから作業はbread boardに刺した状態で行うことに。また、基板の厚みに対してピンの突出が少なく、基板より出ている部分は1mm以下である。これを虫ピンの頭程度の量の半田で取り付けるのだが、将来も奴らのぞんざいな取り扱いに耐え得るか、ちょっと不安になった。何せ、大抵のコネクタやらソケットはピンに対してスラスト方向に力がかかるのだから。

半田ごてを友とすると、自分の「衰え」を実感する。老眼の進行は隠せないし、細かい部品をフローティングな状態で半田付けしようとするとそれを持つ手がプルプルと震えてしまう。2x3のピン列を基板に据えようとすると、触るべきでない、つまりはこれから半田を付けようとするピンに触れてしまい、あっちっち、な状態になってしまう。

やってる人は判っているが、本来半田付けは二本手の動物には向かない。基板を固定し、そこに取り付ける部品を固定し、そこをレンズでクローズアップし、片手で糸半田を、片手で半田ごてを握って作業する。しかしその固定作業を数百か所ある半田ポイントごとにやり直すなんてできない。分業の流れ作業でできるとこだけどんどんやっていく生産ライン(?って見たことはないんだけど)とは異なる。だから半端な固定にもぞもぞアプローチ姿勢を変えながら付けていく。
 
 ただ、ま、美しい仕上がりを求めて一点、一点と付けていることに集中するのは嫌いじゃない。うまくできるのはまだ1割くらいだけど。
 
 あ、で、何を作ってたんだっけ?