CM Watch

誹謗中傷脅迫CM
 
 ここに掲載するのは本当に久しぶりだが、テレビCM、広告の話をしよう。と言うのも目につく「悪い」広告が長く続いているのが目立つからである。

 薬品・健康食品会社は不景気にも関係なく、民放のよい顧客である。
今回、何が「悪い」と考えるか、まあ、当人が気にしていることを突き付けて物を買え、と言ってる広告を無差別にばらまいている点である。インターネットならスパムそのものである。
 このようなCMを流す会社は、小学生のころ「人の身体的な特徴を挙げてそれをからかうのはやめなさい」と言う基本的な教育を受けて来ていないのであろうか。無論、良識ある人間ならばそのようなことは教わらずとも常識である。
 
(1)花王のヘルシア緑茶。男でなくても女医役の「これ、普通じゃないですよね」と言うセリフに蹴りを入れたくなる。今、最も「いやらしい」広告である。しかもカテキン増強飲料はどれも「渋み」と言うか、口内に引っかかる味で「まずい」。
 
(2)次に、小林製薬のナイシトール。これは(1)ほどでも無いが、「ぼっこりおなか」と言うのを定着させようと言う精神と、見ていて気持ちの悪い映像が「アウト」である。ネーミングがわかり易さと購入に気後れがする絶妙なバランスで、随分損しているだろう。
 これらの食品は一年くらいして効果があったかどうかを判断できる。無論医薬品に勝る効能なんて無い。それでもファンケルのカロリミットの宣伝はとっても「良い」(前にも書いた)。
 
 次は食品系では無いが
(3)AGAの「ダンダンダダン減っていく」とか「30代の薄毛~抜け毛~お医者さんに相談だ」と言ってる奴。人並な(はずの)自分すら不安になる。本当にそれで悩んでいる人はとっても鬱な内容である。かつらや育毛指導をする会社のCMの方がまだマシだ。ああ、でも女性用のウィッグで若干気に障るものがあった。
 ちなみにAGAの治療は「一生続けなければ効果の無い商品」だそうである。それは治療とは呼ばない。「治せない」のだから。ある意味、宗教に金を払い続ける方が、より良い救済を得られるかも知れないね。
 
 私は今回のようなCM達を脅迫広告と名付けている。本来、その存在さえ知らしめれば、本当に必要と感じている人は買うような代物である。ここまで社会的に誹謗する内容はいかがなものか。
 
 これらのCMの間違いの根源は、「正しい」自由競争していない点である。資本主義の鉄則は自社製品の研鑽によって他社製品と差別化し、それを価値として競争するものであり、購入者の自尊心を貶めたり、社会的な悪行(つまりここで言う不特定多数、即ち社会に対する中傷)をごまかして商品を売りつけることではない。
 

 あと、どうでもいいけど、できればやめてほしいのは関西系のオバサンなんかを使った殺虫剤の宣伝かな。不快以外の何物でもない。公共の電波に乗せるものか?
 
 ここに何の後ろ盾も無い私が唾を吐いたところで何の効果は無いだろう。それでも誰かが声にしなければならないと思ったんだ。それに、こればかりは総務省に規制させるわけにはいかない。このような点で国民(法人も含め)が自発的により高度に洗練された社会を築こうと言う姿勢が、より良い未来を創る一助となると信じている。