にわか電卓ヲタ話

AndroidのThe Best of Scientific Calculator

 ちょっとばかり理系な仕事をしているせいで、いわゆる関数電卓が必要である。一応関数電卓機能付きのポケットコンピュータは持っているが、あの横長のフォームは人間工学的には縦型に劣るらしい。しかし手持ちのFX-602Pでは有効数字的に若干きつい場面が出てきた。で、先日切り換えたAndroid電話機で使用できる関数電卓アプリを探した。
 無論、最初から付いてくる電卓アプリを横に倒せば大抵のことはこと足りるのだが、逆三角関数は必須だし、行列式の演算も多くなってきた。
  "scientific calculator"をキーにマーケットを探してみると、ざっと150個程度の電卓アプリが見つかる。この一週間でその約80%を試した。

 ぐだぐだ話し始める前に結論を先に言おう。私が必要とする精度を満たしている関数電卓アプリの中で、ベストなものは"Handy Calc"である。

 評価の高い電卓アプリは、どこかのメーカーから出ているようなリアルな操作盤と、センスの良いボタン配置を備えており、確かに使いやすい。
 しかし、その外観にだまされてはならない。世の中にあまたあるアプリ比較サイトの大半が、いかにあてにならない評価をしているか思い知った。中にはcos 0.001degreeを1.と返答する「関数電卓」アプリがあるのだ。これでは小数点以下4桁の角度を求める時に全く使い物にならない。
 次にマシなのが、FSEキーなどで、浮動小数点モードになれる奴。小数点以下10桁程度まで表示される。しかし、電卓に求めるのはそんな機械都合の誤差を含まない精度である。

 高精度な関数電卓が必要なら、そのエミュレータがたくさんあることもわかった。と言ってもHP社かTI社ばかりだ。日本製はCASIO FX-602P、つまり手持ちの電卓しか見当たらない。それらは確かに動く。そして正確だ。
 例えば最もポピュラーなHP-48GXエミュレータなら小数点以下12桁まで表示できる。
 多分それで十分なのだが、いささか著作権には抵触しそうだ。TIの計算機エミュレータもリアル電卓のROMが必要である。それにアンドロイドの狭い画面の中ではボタン配置が崩れていささか見にくい。でもそんな本音と建前の形ばかりの葛藤は杞憂。上記の"Handy Calc"なら16桁まで求められる。少々ボタン類は押しにくいが、どうせGraffitiを併用するのでスタイラスを使う。
 たぶんこれで十分だろう。あまり精度の要らない行列演算なら"Matrix Calculator"で当座はしのげる。

 できればMathematicaがAndroidで公開されないかなぁ。5000円くらいなら払ってもいいけど。