給仕か給餌か

 先日ブキの事を書いたので、そのつながりで思うことを少し記そう。
 
 最近ずっとホテル暮らしなので、食事は三つのパターンしかない。
(1)ホテルのレストラン(居酒屋?)か、(2)外食か、(3)買って来るか。
 
 家内や親の作るご飯以外のものを食べる時に、「今、俺が食べているのはご飯なのか餌なのか。」と考えることがある。
 ここでは「ご飯」と言うのは人間の食べ物、「餌」と言うのは家畜の食べ物、ってことにしよう。
 上に挙げたいずれのパターンでもその両方を感じることがある。それぞれのケースで、ご飯と餌の違いを書いてみる。あ、これは私の勝手な思いなので、同意は要らない。
 
(1) ホテルのレストラン
・バイキングスタイル、もしくはコンチネンタルブレックファストは基本的に餌。但し、その地の特産品とか、そのホテルだけのものなどに拘りが感じられる場合はご飯と見える。
・給仕の質による。そこは↓(2)と同じ。考えてみれば(1)(2)は殆ど差は無いか。
 
(2) 外食
・餌かご飯かは給仕する人により決定される。完全にマニュアル化されて人間性が損なわれていれば食っているのは餌だ。マニュアル通りでも、ちゃんと本人が必要な作業と進んで世話してくれる場合はご飯を食べた気になる。プロフェッショナルで仕事にソツがなくても駄目だ(ごめんね難しくて)。料理の鉄人?顔の見えないところでどんなに頑張っても、給仕で決まる。
・機内食…完全に餌。おそらくキャビンアテンダントも「どうして私がこんな事を…」と思っている。そしていつも同じことの繰り返し、と思っている。時間が来たら給餌の準備。多分、自分がやってもそう思うだろう。あれはそう言う仕事だ。
・ファストフードは殆どが餌。
・恋人や家内と食べるもの、はご飯でも餌でもどうでもいい。こんなこと考えない。考えさせられたら、それは間違いなく餌だ。でも君が一緒に食べれば素敵なご飯だ。
 
(3) 自分で買って食べるもの
・カップ麺の類は餌。(と言うより屑。)
・カ○リーメイトの類は餌。
・今回の食事は○○だった、と言えないようなものは餌。
・たまに家内や知人が買ってきてくれるものはご飯。
 そう、驚くべきことに、私は自分に餌を与えることもあるのだ。
 
 共通していることは、
・習慣的に食べるものは餌。時間が来たから何か食べよう、ってのは餌。
・何か食べないと栄養的に問題かな~と思って腹に入れるものは餌。
・これを食べないと力が出ない、と思って食べるのは薬?お菓子?私の場合はチョコレート。これを入れないと頭が動かない。ご飯じゃないよなー。
 

 ご飯だろうが餌だろうが腹は膨れる。でも大切なのは愛だよ、アイ。
 一つのおにぎりでも餌とご飯は全く違うものだと思う。
 私の場合、餌を繰り返すとストレスが溜まるようだ。まず、塞ぎこむ。次にイライラする。倦怠感がつのる。
 

 で、まあ、誰かに何か言いたいわけでもないが、そうね、あなたが職業で食を作る人で無いならば、いついかなる場合でも、あなたが「作る」のは「ご飯」だと思うんだ。あなたの作った食べ物を食べる人は幸せだよ。きっと。知らずともそれを感じるだろう。

 逆に言えば、例えば上記のカップ麺を買ってきて誰かに食わせるとしたら、最悪それは給餌しているレベルにすらならず、あなたの愛が疑われてもしょうがない、ってことを覚悟しよう。でもTPOによるなー。恋人?友達?からの無償の差し入れ、なんてのはこんなこと考えないで、ただ嬉しい。君が注いでくれるお湯でご飯になるかも。

 子供の頃はこんなこと考えなかった。けれども自分を形成する何割がご飯で、何割が餌だったのかって、確実に身や心に刻まれてると思う。別に回数に比例するわけじゃないんだけど。最近そう思う。
 
 いや、私はアイの方が多いよ。うん。きっとね。