昨年度のベスト2フリー/シェアウェア

Software Hunting
 
 私もコンピュータ業界に居る人間なので、自動的に変わったソフトウェアの情報がどこからともなく供給される環境に住んでしてしまっている。

先日CNETのニュースレターが、今年のダウンロード数ベスト10、なる記事を書いて送り付けたので、あまりにひどい内容に酷評を投げつけてしまった。この手のダウンロードのトップは、フリーのセキュリティソフトウェアか、アーカイバと相場は決まっており、そのままの内容だったからである。
 
 Macintosh SE/30の時代から現在に至るまで、数多の浪費をソフトウェアにしてきた。最初のころは「集める」ことばかりし、それらを分類する作業に追われていた。なので、今でもMOにたくさんのレアソフトが読める状態で眠っているが、肝心のマシンがエミュレーションでしか動作せず、プロテクトのきついゲームなんかは動かないものが多くなった。それより、iPhoneなんぞを買ってしまったものだから、ソフトウェアは安くて刹那的なものだと認識するようになった。高いソフトには徹底的に同機能のフリーウェアを探して調達する。なに、キーを叩けば幾らでも転がっている。
 特にネットワークへの接続代金が高かった、所謂パソコン通信の時代に置いては、ソフトウェアはとても貴重なものに思えた。しかし、ソフトウェアは常に更新されるか、あるいは開発が中止される運命しか無い。後者はもはや普通の人には必要とされなくなったものと見なされているわけで、後生それを大切に取っておいたとしても、再び使用するようにはならない(断言)。

例外が、通信業や、私が作っているようなCAM系のソフトウェアである。これらは漬物石のごとく長期間に渡って稼動し続ける。大抵はハードウェアが先に音を上げる。しかしこれらは、不具合がなければメジャーなアップデートも無い。
 
 私が初めて買ったソフトウェアは、PC-8801と言うジュラ紀に製造された機械で、FM音源を使って音楽を作るものだった。私が購入したPC-8801は初期型だったからFM音源が内蔵されておらず、雑誌の記事を頼りに何とか部品を調達して自作したものだった。まあ、その方が純正品の半値以下で入手できた。そう言えば、Macintoshも最初に買ったソフトウェアはSoundExciterとか言う音源部を拡張するものだったっけ。確か4重和音に限られていたマックを8重和音まで出力可能なMIDI音源にする奴だ。

 ソフトウェアにしても、新種のPCが出ると、最初はアイデアに富んだ、面白い、だけど滅多に役に立たないソフトウェアが跋扈する。やがてそれはワープロや表計算なんかのお定まりのコースに移行するのだが、Old Macintoshの時代あたりまでは楽しかった。上述のSoundExciterをはじめ、今じゃ当たり前になっている仮想記憶を付加したり、メモリを二倍、速度も二倍、コピーも二倍速にする何とかだぶらー、って奴らは、ソフトウェアでハードの限界を超えさせると言う面白いものだった。まあ、怪しさも炸裂して多分SE/30を買った年は、一ヶ月に十回くらいはOSインストールをしていたかな。

 今、世界のほとんどはマイクとロフトか、それを真似たLinuxのディストリビューションに席巻されている。フォンノイマン型のコンピュータはいつ破られるのだろう。相棒としてもっと親密になれる特殊用途向けのPCは育てられないのだろうか。新しい地平線を見せるソフトウェアをずっと探している。


 少しは具体的な話を書いておこう。去年、二つの素晴らしいソフトウェアに出会った。今ではかなり有名なDropBoxとPrayaya V3である。
DropBoxはネット経由でフォルダの中身を自動シンクロしてくれるもので、Windowsだけでなく、LINUXやiPhoneとの同期も可能である。これを導入してからはUSBメモリを使う機会が減った。クラウドコンピューティングが供給する、数少ない個人対象のソフトウェアの一つだ。2GBまでなら無料。
 
 もうひとつのPrayaya V3、これはWindows限定であるが、USBメモリなんかにインストールしておくと、挿した時に、自分固有の環境が起動する。そこには本体と切り離してソフトウェアもインストール可能であり、本体サイズも極小である。メディアの速度にレスポンスが大きく依存する。CFカードなんかではかなりイライラするが、高速型のUSBメモリなら、事務処理程度は十分に事足りる。設定によるが、使ったPCに痕跡を残さないのが素晴らしい。値段は40米ドル超と高いが、今なら特別価格20ドル弱だ。

ちょっと不安定なのが玉に傷。しかも英語モードと中国語モードしか無いのだが、英語モードを選んでいてもアップデートの状況レポートが中国語で浮かんでくるのが邪魔かな。

基本的にログインできるPCであれば、自分の環境がどこでも使える。ま、簡単なエディタ程度だが、出張中に会社のパソコン以外に自分のPCもっていく気にならない時など大変重宝する。
 
 この二つが、「新しい可能性」を見せてくれた最近のソフトかな。
 
追加: あなたがもしたくさんの人が読むブログに上記のPrayayaを紹介していると、今ならタダでライセンスくれるらしいです。日本語ではどうか知らないけれど、基準なんかがホームページに書いてあります。
 いや、私はライセンス(三年アップグレード)買いましたよ。この程度の記事じゃだめだろうと。