ホテル暮らし

 久し振りのホテル住まいである。向こう一ヶ月くらいかな。
 今は値段は安いが、そこそこ小奇麗で設備も整っているチェーン店(?)。
 
 ホテルを連泊すると、夜、自分に向き合う時間が増える。そんな中でいつも思う話。
 
 たくさんのディスポがもったいない。
 
 歯ブラシ、石鹸(ここはボディソープだけど)、ブラシ、入浴スポンジ、シェーバー、スリッパの中敷き…。無論しのぎを削るホテル業界で、あれこれやめました、ってのは印象落としかねないし、自分にしてもリネンはいつも新品同様、ってのが正直嬉しい。
…ええ、ディスポも使いますよ。なんたってバブりぃな時代の人だし。でも保つものは使いますよ、ニ、三日はね。

 でも、最初から宿泊の仕事にするつもりなら、おおよそみんな用意して行くんじゃないかと。コインランドリーで使う液体洗剤まで持ってきてるよ(このホテルじゃそれも用意してあるけど)。歯ブラシまで揃えてやらなきゃならない人ってかなりの飛び込み客だよね。
 ディスポは安過ぎる、ってのが問題かと。
 
 上記の何かを削っても、せいぜい数十円の差。その数十円で例えば宿泊費に千円上乗せできるのであれば、あるいは隣のホテルより人の口の端にのぼるのであれば、誰でも使ってしまう。また、リネン1枚の代わりにディスポのスポンジ1個で済むのなら喜んで採用するだろう。
 
 これをたとえ数十円でも、別料金として売ることにすれば、かなりのゴミが減る。
 業界が動きにくいのなら、各県の条例にでもしてあげれば良いのに、と思うんだ。ごみ処理を担うのはだいたいそのホテルのある地方だろうし。宿泊業では歯ブラシのサービスは連泊当たり一回のみとする、但し、販売は許可、てな具合かな。ディスポ特別増税、でもってファストフードのゴミも減らすとか。
 
 確かに催し物での紙皿、紙コップ、プラスチックのフォークにナイフはとても便利だけど、そこは十円でも別枠として値段を掲れば「躾け」的な効果はあるかと。割り箸は、うーん一日本人としてはカナーリ譲り難いんだけど、ちゃんと買ってもいい。個人的にはマイ箸もありかと。山登りの人なら武器と呼ぶくらいだから合意してくれると思う。
 
 ディスポを止めれば人件費がかさむ。立食いうどん屋さんなんかは大変だ。でも日本の商習慣にも良いところはある。箸箱の前に料金箱。強制しない支払いに応じる人が多いのはこの国の美点だ。
 
 問題はなー、衛生面とのトレードオフ。むしろこの絡みで、市町村からして「ディスポにしろ」的な働きかけもあったかも知れない。まあ病院は別枠として(って、そのディスポに一番高い値段が付いているからね)、食中毒起こしたら誰のせい?的な事もあるだろう。
 某大手外食チェーン店で出されたスプーン(もちろん非ディスポ)にカレーが付いてて、文句言って変えさせたスプーンにもカレーが付いてて、ってこともあったし、某大手ファストフード店で、個別包装のコーヒークリームが何回出させても分離してた…つまりspoiledの状態。(しかも店長が「これでいいですか」ってことを客に聞くのか、JR町田駅前ヌケドナノレド。)

 この問題は深いけれど、プラスチックのスプーンでカレーを食うには抵抗あるし(あ~でもヨセミテでプラスチックのフォークでスパゲッティを食わされた。あの時は、その不味さで何もかもブットんでたな)、茶店のミルク瓶の中身を疑う事…はあるかも知れないけれど、マスターを信じてそれは使うもんだ。
 ゴミを出せばコストがかさむ時代なんだから、互いにちょっとの手間は我慢しようぜ。今のホモサピエンス君のオツムじゃ特にプラスチックゴミは苦手だろ。

…脱線してしまった。でも、やっぱり思うんだ。学生の時まで、一泊数千円って下宿の何日分に相当するんだ?と思ってた感覚は正しいんじゃないかって。そう、宿泊の値段は高い。
 
 それを抑えた例で真っ先に思いつくのはユースホステル。何事もセルフサービスが基本。今はどうだか知らないが、封筒状のシーツまで持ち歩き、借りる場合は○○○円ってガイドブックに書いてあった。食事後、皆で食器洗い、ってのはどうなの?>次の宿泊客。
 もうあちこちでガタが来ているけど、頑張って欲しい。
 

 で、今、カップ麺開けたんだけど、どこかに割り箸無い?