とある力学

 このお盆の時期に全く関係の無い暇つぶしである。まあ、今日は盆休みの前日と言うことで。

 私は自転車通勤である。そして自転車には距離と速度が出るメータが付いていて、最高記録のログが残る。家は丘の上にあり、毎朝の肝試し、と言うわけでは無いが、最高速度がどこまで出るか命懸けの実験をしている。マウンテンバイクの要は遅乗り。それが必要なのは本来上りではあるのだが、私は自分の敷地から飛び出して、この坂を下るまでペダルを(なるべく)こがないようにしている。

 まあ、毎朝そんなことをしながらいつも思っているのは、実際ペダルをこがないで理論的にはどこまで速度が上がるのか、てことだ。坂の下は交差点になっており、大抵は赤信号だし、止まっている車や人もいるので結局は降りきる前にブレーキをかけるのだが、これまでの最高は時速46km/hである。
 昔習ったニュートン力学の公式を思い出す。なんかこいつだけはいつも頭の中にある。

 mgh = 1/2mv^2 … 言うまでもなく g:重力加速度, m:質量(ここでは消える),v:速度, h:高さ。
 ∴ v = sqrt(2gh)

 丘と言うのは、頂上部がなだらかに、中間が急な坂に、そしてまた低いところでなだらかになるし、またブラインドカーブもあるが、そこは簡単のため、ただの斜面と仮定する。
 地図によると標高は約50mである。斜面で重力加速度g[m/s^2]にsinΘの係数がかかる。Θは斜面角度である。斜面のメータ読みの距離は220[m]、従って
 Θ = asin(標高/斜面距離)
で、計算してみる。

v[km/h] =
sqrt(g[m/s^2]*標高[m]*2*sin(asin(標高[m]/斜面距離[m]))) * 3600[秒]/1000[m] =
sqrt(9.8*50*2*50/220) * 3600/1000 =
53.726[km/h]

…転がり抵抗や、ヘタれブレーキ、カーブした坂などの条件を考えると、意外と符合すると思わない?

 学校で習ったことなんて実社会で全く役に立たない、なんて言う人もいるが、私のここ数年の業務ではコンピュータとソフトウェアの知識を除けば、大学の材料力学+高校物理+中学代数で食っているようなものなのである。ま、この計算は完全に遊びだけどね。

#こんなんで計算が間違ってると恥かしいなあ。