Ubuntu 10.04 LTS

 4月になったので(もう5月の終わりだが)Ubuntuの新しいバージョン10.04が出た。素晴らしいことにこの開発チームは誰に強制されるわけでもないのに、自らのアナウンスを守ってリリースを続けている。まあ、様々な改良作業は日常的に行われているから、スナップショット的にリリースをしているのかも知れないが、一応ちゃんとインストーラがまとめられるのは安心感があるものだ。

 今、この文章を入力しているのがその10.04なのだが、見た目はあまり変わっていない。あーいや、見た目は変わったが、コアの部分の変更は少ないように思える。ちょっと調べてみたが、起動の高速化(うーん、ネットブックなせいか、あまり感じない)とかクラウド対応とかで、あまり派手さは無い。世の中の批評で、見た目の変化を多く取り上げているが、そんなもの本質論じゃないだろう。確かにウインドウのクローズボタンのデフォルトが右上から左上に変わったのは混乱を招くかも知れないけど、Oldマカーの私には全く問題ない。だいたいデフォルトはデフォルト、見た目なんか全く意味が無い。
 まあ、メジャーな変更は無いと言って差し支えないだろう。と言えばわざわざ取り上げる必要もないが、そこは敬意を表するために、ageることにした。

 今回の10.04化に際して、最初はアップデートマネージャによるアップグレードと言う形で導入したが、メニューの表示や、起動・シャットダウン時にちらりと現れるfailの文字が気になったので、先日それまでの中身をスッパリ消してクリーンインストールにした。うん、いろんな部分の整合性が取れて良くなった気がする。しょうもないが○○のアイコンが出なくなった。なんて症状も改善した。

 Ubuntuの実用性については8.04から全く問題ないと感じている。なぜ会社がこれをメインに採用しないのか不思議なくらいである。それこそWindowsのプログラム開発とかじゃなければ、一般の文書作成や事務用途には全く問題はない。
 あえて劣る点をあげれば使いたいメジャーなソフトウェアが載ってない率が高い、ってことかな。今ならSketchupとか。

 昔からLINUXのアプリケーションは嘘くさい。メジャーなソフトウェアの機能を模倣し、オリジナリティ、デザイン、完成度共に市販のソフトウェアには及ばなかった。しかしオフィススイートの完結によって、ようやくそれは我慢できるレベルに到達したと思う。Ubuntuのファイル管理は市販OSのそれを越え、やっと、LINUXの遺産である、ユニークなアプリケーションやライブラリがクローズアップされる。そう、昔からフリーUNIXとして予算の限られた大学などで開発されてきたそれらが唯一使えるプラットフォームだ。

 とは言え、OSにはボーダーレスでいたい。OSなんかでいがみ合ってる暇なんか無い。